【小説】BTSと私 第11話
BTSについての小説を書かせていただこうと思います
ときどき他のBTSメンバーやTWICEメンバーも出演します(BLACK PINKメンバーも出演させる予定でしたが、話がややこしくなるといけないので、やめました)
ぜひ読んでみてね!
〈登場人物〉
・私(○○)・ユンギ・ジン・ナムジュン・ホソク・ジョングク・テヒョン・サナ・ミナ・ナヨン・ジヒョ・チェヨン・ダヒョン・ジョンヨン・モモ・ツウィ
〈本編〉
ここだ。
私はドキドキしながらとあるカフェの前に立った。ここで、11時にジョングクと待ち合わせているのである。時計を見る。10時45分。さすがにまだグクは来てないだろう。
「오지 마라.(いらっしゃい)」
緊張気味に入ってきた私に、店主が奥から笑顔を向けてきた。ぎこちなく頭を下げながら、目で店内を見渡す。
「あっ・・・」
私は呆然とした。奥の丸テーブルに、グクがいる。リラックスしてジュースを飲みながら、スマホをいじってる。そしてその隣には・・・
「・・・なんでテテ!?」
小声で叫んでしまった。その声が耳に入ったわけじゃないだろうが、テテがくるりと振り向いた。ばちんと目が合う。
「왔어.(来たよ)」
凍り付いている私を無視して、テテがグクを長い指で小突いた。グクが振り返って、うれしそうに笑う。私は、こわばった顔で微笑みながらテーブルに近づいた。
(どうしよどうしよ!!テテがいるって聞いてないよ!てか絶対怒ってるよね。この前は確実に怒ってたし・・・)
目を合わせるのが怖い。
「あ、アンニョンハセヨ・・・」
私は何も知らずニコニコしているグクにぺこりと頭を下げ、二人のスーパーアイドルと向かい合って席についた。
沈黙。グクが言った。
「ごめんなさい、驚き…ましたか?そのー、テヒョンがいること」
私はうつむいたまま、急いで首を横に振った。
「じつはぁ、その、テヒョンに通訳?をしてくださる、ええと・・・あいご・・・」
日本語がわからず苦しみながら、グクはもういいや、と思ったのか、ため息をついて一言。
「僕は、韓国語をはなします」
「はい」
「それを、テヒョンが日本語にします」
「わかりました」
飲み物が運ばれてきた。テヒョンが私に渡してくれた。こっそり顔を見たら、ごく普通の表情だ。もう忘れっちゃったのかなとチラリと思ったけれど、そんなわけはない。
「じゃいきますよ」
グクがおいしそうにジュースを飲んでから、テテと目を合わせた。テテがうなずく。何の合図だ。
「・・・僕に話したいことって何ですか?」
グクが言った韓国語をテテがぽつりぽつりと日本語に直した。私は思わず感心。テテの日本語、ほんとに上手だ。
それにしても、質問が単刀直入すぎるっ!じゃ、こっちもばっさり答えちゃうか。
私は姿勢を正し、初めて二人の目をしっかりと見た。この世のものとは思えないほどきれいな、大きなおめめ。どきどきと心臓の音が聞こえる。
「私、ユンギと別れました」
急にがたんっと椅子の音がして、私が驚いてびくりと見上げると、テテが憤怒の形相でこちらを見下ろした。テテのジュースがこぼれる・・・ところで、グクがぱっとキャッチ。でもその反射神経に注目できるほど、私には余裕がなかった。今まで見たこともない、そして全世界のARMYも知らないであろう、テテのこの表情。
何、何なの!?
〈続く〉
BTSと私 第12話