小説 私には6人の記憶だけがない。【騎士A】 day2
※nmmnです。オリジナルじゃありません
※結構昔のだからykmr.さんが当たり前のようにいる
この2つが大丈夫な方のみ閲覧お願いします!(名前)の所は頭の中で変換してください!
入院生活2日目、今日は先輩が来るらしい。
「(名前)ちゃん、いる?入るね。」
金髪の人が入ってきた。
(この人がそうま先輩か…)
ばぁうから名前だけ教えてもらった。他の事も聞こうとしたんだけど、本人に聞けと言われてしまった。
「ばぁうから聞いたと思うけど、俺は黄塔そうま。3年生。」
「はい、聞きました。今日は来てくれてありがとうございます。」
「いいよ、俺が来たかっただけだし。そうだ、花束持ってきたんだよ。」
わ、ありがとうございます!そんな良かったのに。花束って高いし…
「いいんだよ。俺花屋の息子だから。」
「そうなんですね。…もしかして、いつも部屋に花束置いてあるのって」
「うん、俺が持ってきてたんだ。今日はガーベラ。花言葉が『希望、前進』だからお見舞いにぴったりだと思って。」
花言葉か、私は全然知らないな。
「調べてみると面白いよ。俺も全然知らなかったけど、最近興味出てきて。」
「どんなのがあるんですか?」
「えっとね、有名なのだと…」
そうやってそうま先輩はいろいろな花言葉を教えてくれた。私が興味ありそうな物ばかり教えてくれて、優しい人なんだな、という印象だ。
「っと、(名前)ちゃんといると時間が過ぎるのが早いな。もうそろそろ帰らないと。」
はい、今日はありがとうございました。
「明日はてるとが来るよ。よろしくね。」
そうま先輩はそう言って私の頭を撫でた。びっくりしたけれど嫌ではなかった。そうま先輩は記憶をなくす前の私にもよくこうしてくれたのだろうか。そう思えるぐらい不思議と安心する大きな手だった。
(私、なんで記憶をなくしちゃったんだろう?ばぁうもそうま先輩も、すごいいい人なのに。もったいないなぁ)
「…やっぱり、(名前)ちゃんは花言葉を知らなかったか…」
俺が持ってきたのは、黄色のガーベラ。ガーベラ自体は「希望、前進」という意味だけど、実は色別にも花言葉がある。
黄色のガーベラの花言葉は「究極美、究極愛。」つまりは告白だ。
本当は言葉で伝えたかったけれど、俺はあいつみたいにそんな勇気はない、卑怯なやつだから。…だから、この気持ちは隠しておくよ。
「究極愛…我ながら重いよな。」
そんな自分を戒めるように、自虐的に笑った。