試作品小説※プロセカ
_____桜が咲く季節。新しい年が始まる。
私__星乃一歌は、高校3年生になったのだ。
今年から忙しくなるだろう。
でも、バンドに手は抜かない。
プロを目指すために、手を抜く事なんて許されない。
ずっと、目指すと決めた日から変わらない。
そんな事を考えながら、不意に桜を見る。
……桜、か。前、ミクがルカが桜みたいだって言ってたなぁ……。
そんな事を言っていたのは1年前だ。
時が経つのは早いなと感じた。
私も来年は受験生になるのかな……。
まだまだ先、とまでは行かないから、それも考えなければならない。
「おっはよー!いっちゃん!」
もんもんと考えていた時、後ろから聞き覚えのある明るく元気な声が聞こえて来た。
後ろを振り返ると、ニコニコ笑顔な__幼馴染で、同じバンドの天馬咲希が居た。
考え事をしていたために、少々驚きながら挨拶を返した。
「おはよう、咲希。朝から元気だね」
「当たり前じゃ~ん!いっちゃん達に会うが楽しみなんだもん!」
と、ドヤァ……という顔で言う。
咲希はムードメーカで、一緒に居ると楽しい。
こう見えても、咲希は、身体が病弱だった。
中学の時はずっと入院しっぱなしで、学校生活を送れていない。
高校生の時に復学し、こうやって元気に学校生活を送れている。
病弱なのに変わりは無いけれど、少し良くなったと思う。
いつか一回も倒れなくなったらなと思う日は無かった。
咲希が苦しい思いをしていたのを、幼馴染は知っている。
咲希から全部聞いたからだ。
だからバンドの練習も無理はし過ぎて欲しくないので、少しでも体調が悪いと感じたらすぐに言うんだと約束をしている。
けれど心配をかけたくなかったからと言わない時があった。
私も咲希だったら、きっとそうしていたと思う。
……昔を思い出しすぎだなぁ、私。
今、隣には咲希が居るっていうのに……。
__あ。挨拶をした後一回も喋ってなかった。
私としたことが……。大丈夫かと不安になりながら咲希に声をかける。
「さ、咲希……。ごめん、ずっと考え事してて___って」
咲希が居なかった。
えっ、どこ?
焦って後ろを振り向くと、咲希は桜を見ていた。
どこか寂しけな顔をしているように見える。
咲希の方へ寄って行くと、何かぽつりと呟いた。
「___すぐに散っちゃうなんて、可哀想だね……。」
「えっ」
その声に、咲希は隣を見た。
やっぱりどこか寂しげな顔をしていた。
どうしてと理由を問おうとすると、咲希が口を開いた。
「桜って、誰かにキレイだねって言われて、散っていくだけなんだよ」
「それだけで、桜は嬉しいのかな?」
咲希にそう問われて、息が詰まる。
どうして桜の気持ちを考え出すのだろう。
咲いて、散っていくだけの、花を、桜を__。
「分からない」__そう、言葉に出す前に咲希がはっとした顔をして、頭を下げてきた。
その事に訳が分からず、「さ、咲希?」と言葉を掛ける。
「だって急に変な事言っちゃったし……ごめんね!」
「って、あ!ほなちゃんとしほちゃんが居るよ!行こう、いっちゃん!」
そう言って穂波と志歩の方へ走り出す咲希。
「ちょ、ちょっと咲希?待って!」と、私も咲希の後を走る。
咲希は何かを言いたがっていた気がする。
それが何かは分からない。__だけど。
何か、言いたそうな顔をしていた。でも、言いたくないと思っていたのかもしれない。
……私はそう思った。
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-昼-
「へえ、桐谷さんは大学に入らないんだね。」
お昼、それぞれ購買で買ってきた物やお弁当を食べながら会話をしている。
桐谷さん、とは、クラスメイト。アイドルをしていて、いつでも完璧な身体でいれるよう食事に気を使っている。
「うん。アイドル活動してるし、そっちに専念したいなら入らない方が良いかと思って。」
「それに、愛莉も雫も入ってないから。それも含めて入らない方が良いかなって。」
そっか……。
じゃあ私達もプロを目指すなら、大学に入らない方が良いのかな?
大学なんて入っていたら、専念出来なそうだし……。
「そっか!アタシは入るって決めてたとしても合格出来ないかも……」
がくっとうなだれる咲希。
「天馬さんなら大丈夫だと思うけど……天馬さん達もバンドやってるんだもんね」
「大学は入らないの?」
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※力尽きた※
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