保健室。
私の名は鈴風千代(すずかぜちよ)運動音痴だけど家庭科はできる中学3年生。本来なら受験だの何だので忙しくなっているころなんだけど私の通う学校は中高一貫でそれなりの成績が取れていれば進学できる。私を含めてほとんどの人が進学できるそうだ。今は12月ちょうどインフルエンザや風邪が流行ってくる時期だ。というか、私の通う学校ではもうすでにいろんな生徒や先生がかかってしまっている。なので1クラスの人数が半分くらいになっている。そのため、体育などの実技教科は2クラス合同でやっている。そして今、私のクラスと隣のクラスの合同で体育をやっている。女子はバドミントンで男子はバスケ。
「運動音痴だから、体育は好きじゃない。」そう思った時…
千代:わっ…
バドミントンの試合中に転んでしまい足を痛めた。これは捻挫かな。そんな私とほぼ同時に倒れた人がいた。隣のクラスの男子だった。その人は、学校ナンバーワンイケメンでミステリアス王子と称されている。和泉廉(いずみれん)さんだった。どうやら酸素不足で少し熱っぽいらしい。私と和泉さんは体育教師の白石先生に連れられて保健室に行った。
白石:ごめんなさいね。今日は池田先生が会議ででかけてるらしいのよ。それに、インフルとかで先生も少ないからここに居られそうな大人がいないみたいなの。私も授業があるから。だから悪いけど、しばらく2人でここにいてもらえるかしら。
廉:わかりました。
千代:私もです。
その後、白石先生は私の捻挫には湿布を貼ってくれて、廉さんには体温を測っておとなしくしているようにと言って授業へと戻っていった。
ミステリアス王子と2人っきり。でも、特に話すことないからいっか。そう考えながら私は窓を開けた。その時、
廉:ねぇ、これどうしたらいい?
と和泉さんが使い終わった体温計を手に言ってきた。
千代:えっと、それは、そこのケースにしまえばいいと思います。
廉:ありがとう。君は保健室によく来るの?
「唐突な質問…」そう思いながらも
千代:私、保健室の常連なんです。基本的に体育の時はここにいます。
廉:じゃあ、なんで今日は参加してんの?
千代:白石先生が今日は来なさいって…。
廉:半ば強制的にって感じか。
千代:ある意味、そうなりますね。
廉:ねぇ、ここで2人っきりになったのもなにかの縁だし。仲良くしよう。俺さ、ミステリアス王子とかって言われてるけど、実際ミステリアスでもなんでもないし。普通に話そう。
千代:はい、いいですけど。さっきからなんかグイグイ来てますけど体調の方は大丈夫なんですか?
廉:俺のこと気遣ってくれるとこ優しいね。実は少し無理はしてるかな。
千代:む、無理はだめです。
廉:そこまで気にしなくても大丈夫だよ。それよりさ、まだ自己紹介してなかったよね。俺は和泉廉。君は?
千代:私は、鈴風千代です。
廉:千代ちゃんか、可愛い名前だね。
千代:あ、ありがとうございます。
廉:可愛いって言われて顔赤くしてるのもまた可愛い。それとさ、敬語はやめよっか。俺は君を千代と呼ぶから、千代も俺を廉って呼んで。
千代:は、はい。
廉:それじゃあ、これからよろしく、千代。
廉さんが立ち上がり手を差し出した。
千代:こちらこそです。
私はそう言って差し出された手を握って握手をした。その直後…
廉:っ…
千代:廉さん⁉
廉さんがふらついて倒れそうになり、私は慌てて廉さんの身体を支えた。
千代:廉さん、大丈夫ですか…。
廉:ごめんね、千代。ちょっと無理しすぎたみたい。
千代:と、とりあえずベッドで休みましょう。
廉:うん。そうするよ。千代の方は大丈夫?俺を支えた時、足大丈夫だった。
千代:私は大丈夫です。なので、廉さんは休んでください。
廉:ありがとう。
そう言って廉さんは横になり、気づけば眠っていた。
千代:寝顔、ちょっと可愛いかも。
廉さんのちょっと可愛い寝顔に頬が緩む。その時、
池田:あら、千代さん。またおサボり?
千代:いえ、今日はちゃんと参加はしたんです。でも、バドミントンの試合中に怪我しちゃって…。
池田:そうなの。ちゃんと湿布は貼ったの?
千代:はい。白石先生が貼ってくれました。あと、廉さんが体調が悪くなってしまったみたいで、今はベッドで寝てかせてます。
池田:そうなのね。ありがとう。でも、千代さんもこのあとの授業をサボるんでしょう。
千代:はい。否定はしません。
池田:じゃあ、このあとのことをお願いしてもいいかしら?あと30分後くらいに私は、出張に行かないといけないの。
千代:はい。私で良ければ引き受けます。
池田:じゃあ、よろしくね。
約30分後。池田先生はでかけていった。
またしばらく先生がいない。廉さんは寝てるし、私は読書でもしようかな。私が本を取りに行こうとした時、
廉:先生、いなくなったね。
千代:⁉…
廉:びっくりした?
千代:はい。
廉:実はちょっと前から起きてたんだ。
千代:寝てなくて大丈夫なんですか?
廉:うん。おかげでほとんど良くなったよ。ありがとう。千代の方はどう?
千代:はい。私もだいぶ痛みとかはなくなりました。
このあまり気を使わなくていい感じの空間、ちょっと好きかも。そう思ってしまった。
廉:てか、もうすぐ帰りの会終わる時間じゃん。
千代:あっ、本当ですね。
体育が5時間目だったため、その後の6時間目・清掃時間・帰りの会をサボって保健室にいた私たち。でもそれはこの日だけのことで、廉さんは次からはちゃんと授業に参加しているし、私も体育の授業以外はちゃんと参加するようにしている。だけど、
「あの時間も、嫌いじゃなかったな」そう千代は思った。
>>1
昨日、寝る前にパッと思いついたものなので、ちゃんとしたストーリーになっているか少し不安だったのですが、そう思っていただけて嬉しいです。
この小説を読んでくださった方へ。
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おもろすぎた。小説は苦手だけど、これなら読めるし人を寄せ付けるような気がするこれ見た時あ、ってなったなんでだろう?