海保が”ナマコ密漁”逮捕時の映像を公開

捜査員「こちら海上保安庁、そこの小型船、止まりなさい!」

逃げているのは、山口県の漁師・中野政吉ことキム・チョンギル容疑者(71)が乗った漁船。

およそ620kgのナマコを県の許可を得ずにとった疑いで、このあと逮捕された。

事件が起きたのは2023年1月31日、福岡県の苅田港沖。

門司海上保安部によると、中野容疑者は漁船で出港し、息子の純一容疑者(48)とナマコを密漁。

その際、妻のふじ枝容疑者(71)は、陸上から見張りをしていたとみられている。

2023年2月末、捜査員が中野容疑者の逮捕に向かったところ、これに気付いた中野容疑者が逃げ出し、海上での逃走劇が始まった。

捜査員「こちら海上保安庁、そこの小型船、止まりなさい! 前方の小型船止まりなさい! 止まりなさい!」

中野容疑者は、山口県の宇部港から岡山県の倉敷沖合まで逃走。

しかし、翌日の午前5時ごろ、捜査員に発見され逮捕となった。

捜査員「おい! わかっとるね、門司の海上保安部です。わかっとる? 逃げとったやんずっと、何捕った? 逮捕状も出とんのよ」

その後の捜査で、密漁したものと知りながらナマコを買い取ったとして、仲買人と競り人の2人も逮捕された。

中国ではここ数年、日本産の天然ナマコが人気で高値で取引されるという。

漁協関係者「(ナマコは)高いよ、結構。量り売りなんだけどキロ800円とか1,000円とか。真面目にルール守って捕るこっち側からしたら、腹立たしいのは腹立たしい」

調べに対し、中野容疑者は「借金による生活で苦しかった」と容疑を認めている。

逮捕された残りの4人のうち3人は、黙秘や否認しているという。