国民的マンション 第1話「個性豊かなお隣さん」
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『国民的マンション』
第1話「個性豊かなお隣さん」
ここは、とても小さい4階建てのマンション。でも、ここに住んでいる住人は、恐らく日本人なら誰でも知っている人ばかりでしょう。それでは、早速部屋の様子を覗いてみましょう。
〜1階・野原家〜
みさえ「しんのすけ〜!待ちなさ〜い!」
しんちゃん「このチョコビはオラのだゾ!だから母ちゃんには絶対に渡さないゾ!」
みさえ「そういう事じゃなくて!今日はもうチョコビ食べたでしょ!これは明日食べなさい!」
しんちゃん「オラのチョコビ愛は1個じゃ足りないゾ!」
みさえ「あっ!コラ〜!」
しんちゃんの母・みさえは自分達の部屋中を使ってしんちゃんを追いかけていた。しんちゃんは既にチョコビを1箱食べていたが、もう1箱のチョコビを持ち出し、案の定みさえに怒られたのか、みさえから逃げていた。そしてしんちゃんは部屋の外を飛び出し、扉の前でみさえを煽っていた。
しんちゃん「ここで追いかけっこしたら他の人が迷惑になるから、母ちゃんはもうオラの事追いかけられないゾ♪」
みさえ「ぐぬぬ…、(もういっそのこと怒られても謝ればいいから、このまま部屋から飛び出しちゃえ…!)どりゃあー!!」
そしてみさえも部屋の外に飛び出してしまい、他の階に繋がる階段を使ってしんちゃんを追いかけていた。
〜2階・磯野家〜
サザエ「カツオ〜!待て〜!」
カツオ「ご、ごめんよ!姉さんのとは知らずに!」
サザエとその弟・カツオも逃走劇を繰り広げていた。カツオはサザエの饅頭を勝手に食べ、その様子が運悪く本人の目に映った為、カツオはサザエに追いかけられる羽目になった。
波平「2人ともやめんか。他の住人に迷惑をかけるぞ。」
2人の父・波平が止めようとしても2人は言う事を聞かず、そのまま部屋へ飛び出した。
〜4階・さくら家〜
まる子の母「まる子〜!逃げても無駄よ〜!」
まる子「く〜!あともう少しでバレなかったのに!」
まる子とその母も逃走劇を繰り広げていた。まる子が0点のテストをずっと隠していたのが遂に母にバレた模様。そして案の定まる子と母も部屋を飛び出した。
まる子「ここまでおいで!べろべろべー!」
まる子の母「いい加減にしなさーい!!」
〜3階・野比家〜
のび太「うるさいなぁ、これじゃちっともマンガに集中できないよ。」
のび太もママに追いかけられているかと思いきや、普通にマンガを読んでいた。だが、他の3家族が他の階に繋がる廊下を使って逃走劇を繰り広げている為、マンガに集中できないらしい。
ドラえもん「しょうがないなぁ、僕が止めてくるよ。」
ドラえもんは部屋を出て、3家族の逃走劇を止めに入った。
〜廊下〜
しんのすけとみさえ、サザエとカツオ、まる子と母は相変わらず逃走劇を続けていたが、遂に3階の玄関前で、
みさえ「うわっ!?」
サザエ「ぎゃっ!?」
まる子の母「いてっ!?」
お互いの体がぶつかってしまい、体を倒してしまった。
みさえ「すみません、本当にすみません!」
サザエ「こちらこそすみませんでした。」
まる子の母「いえいえこちらこそ申し訳ございません。」
みさえ、サザエ、まる子の母はお互いに謝った後、それぞれしんちゃん、カツオ、まる子を睨んだ。そして丁度、扉からドラえもんが姿を表した。
ドラえもん「あ〜こりゃ困ったな。」
ドラえもんはあの様子に呆れつつ、腹についている四次元ポケットに手を突っ込み、
ドラえもん「どこでもドア〜!」
秘密道具の1種『どこでもドア』を取り出した。
ドラえもん「ゴニョゴニョ、おばさん達は部屋へ帰ってください。」
ドラえもんがそう言うと、サザエ達は自分達の部屋へ帰っていった。そしてドラえもんは各部屋の玄関前の近くにどこでもドアを設置した。
ドラえもん「このドアを潜るとなんでも好きな場所に行けるんだ!さあ早く逃げて!」
いつも常識的なドラえもんが珍しく悪い事をしたしんちゃん達の手助けをしているようだ。
しんちゃん「公園でチョコビ食べてくるゾ…」
カツオ「遊びに行って来ま…」
まる子「出来るだけ遠い所へ…」
なんとドアを潜った先は各々の母や姉が玄関で待ち構えていた。
みさえ「し〜ん〜の〜す〜け〜!!」
サザエ「カツオ〜!!」
まる子の母「まる子!!」
〜回想〜
ドラえもん「このドアを潜ると部屋に繋がるように設定したから、おばさん達は部屋へ帰ってください。」
なんとドラえもんはしんちゃん達を逃すかと思いきや、どこでもドアと各々の部屋の玄関を繋げるようにし、しんちゃん達を叱らせた。
ドラえもん「さっきのどこでもドアは各自の部屋に繋がるように設定したんだ。」
ドラえもんは満足そうに自身の部屋へ帰っていった。そしてあの叱り声はマンション中に響き渡り、1階の共用の庭にいる野原家の飼い犬・シロは呆れたように唸り声をあげ、同じ場所にいる磯野家の飼い猫・タマも知らんぷりをするかのように鳴き声をあげた。
〜完〜
ED曲:魔王魂『シャイニングスター』
〜次回予告〜
サザエ「さぁ〜て、次回の『国民的マンション』は?」
カツオ「カツオです。中島と野球をしていたら、同じマンションに住んでいるのび太くんも一緒にやりたいと言ってきたので混ぜましたが、彼は野球が苦手なようで。さて次回の『国民的マンション』は、「カツオとのび太の野球大作戦」と言うお話です。」
サザエ「次回もまた見てくださいね。じゃんけん、ポン!」
✋
サザエ「ウフフフフフ。」
これから応援よろしくお願いします!