空想小説「青鬼」 外伝 第3日 友人との同居
涼夜「っつ〜…ん!?」
俺は見知らぬ所で目が覚めて飛び起きた。
涼夜「え、どこだこk」
颯輝「あ、おはよう涼夜。」
涼夜「うわああああああああぁぁぁぁぁ!!?」
颯輝「どうしたどうしたどうしたどうした!?」
涼夜「ってあっあっあっ兄貴かよ!?」
そうだ、故意じゃないとはいえ、俺は颯兄と暮らす事になったんだった…
涼夜「す、すまん、起きて見慣れない景色だったから…」
颯輝「あーね?ってか、俺の事[兄貴]って呼ぶんだな。」
涼夜「兄への最低限の敬いだ。嫌なら颯輝って呼ぶ。」
本当は呼び慣れた渾名の[颯兄]って呼びたいが、そうするともしかしたら感づかれるかもしれないから、[兄貴]って呼ぶ事にしただけだがな…
颯輝「俺は別に構わないよ。ご飯できてるから速く降りて来なよ。」
涼夜「あ、あぁ…」
俺は服を着替え、半袖の上着を着て、サングラスをかけ、フードを被ると1階へ降りた。
颯輝母「あ、おはよう涼夜君!」
涼夜「あぁ、おはようございます…」
颯輝母「もう、そんなに固くならなくていいのよ?さ、ご飯できてるから席について!」
涼夜「は、はい。い、いただきます。」
颯輝「俺もいただきます!」
俺はご飯を口に運んだ。…美味しい。水刃さんの料理みたいだ…
颯輝「どうだ、母さんの料理?」
涼夜「お、美味しいよ。すごく…」
颯輝「だってさ、母さん。」
颯輝母「あら、そう?嬉しいわね♪」
ふと、俺は颯兄に視線を移した。いつの間にかご飯のおかわりを貰っていた。
涼夜「に、にしても兄貴、めっちゃ食べるな…」
颯輝「顧問の森木先生に『沢山ご飯食って体力つけろよ!』って言われてるからさ。」
涼夜「そっか…」
そういや、颯兄は野球部に入ってたっけ。給食の時色々言われてたな…
涼夜「た、沢山食べるのもいいけど、ちゃんと噛みなよ?急いで食べたら詰まらせるよ?」
颯輝「ちゃんと噛んでるから大丈夫だ。心配ありがとうな、涼夜。」
涼夜「…いらない心配だったみたいだな。」
俺はそっぽを向いた。礼の言葉なんざいらねぇよ…
颯輝母「そういえば、涼夜君は何でフードを被っているの?それと、サングラスも…」
涼夜「あー、そうですね…」
フードの理由としては、カートリッジを隠すのが1つの理由だが、単に好きで被ってるって体もある。サングラスは右眼を隠すためだ。日本人にはっきり分かるオッドアイ持ちって滅多にいないからな…しかもこんな青い目なんか怖がられるだろうし…
涼夜「まぁ…気分…ですかね。見栄えが悪いなら一応外しますよ?」
颯輝母「別にいいわよ。別に悪いわけじゃないからね。」
涼夜「そ、そうですか…あ、ごちそうさまでした。」
颯輝母「あら、もういいの?」
涼夜「はい、俺は大抵少食体ですから…そうだ、か、母…さん。これ、貰ってもいいですか?」
俺はレンズにヒビの入った花粉用眼鏡を手に取って言った。
颯輝母「え?いいけど…何に使うの?そんな壊れかけの眼鏡…」
涼夜「何かに使えるかもと思いましてね。じゃあ、俺は上に行ってますね。」
俺はそう言って、自室に駆け込んだ。
涼夜「よし、ドアの鍵閉めたね?じゃ…いっちょ作業しますか!」
俺はなんだかんだ物作りが好きだ。それに師匠の能力が含まれるとやれることが一気に増える。
涼夜「えっと、取り敢えず眼鏡の丁番とかは壊れてない…と。負傷箇所はレンズだけみたいだね。」
数時間後、俺は眼鏡の修復を終わらせた。
涼夜「よし。いけてるかな?」
俺は新しいレンズを付けた眼鏡をかけて、鏡の前へ立った。眼鏡を通して見た俺の右眼は左目と同じ色をしていた。
涼夜「よし、うまくいった!」
俺はサングラスはやっぱり見栄えが良くないと思い、不透明じゃない眼鏡をかけようと思った。花粉用眼鏡を選んだ理由は横から見られて本来の色を見られないためだ。
颯輝「涼夜ー!ご飯だぞー!」
涼夜「あぁ、いつの間に12時過ぎてたのか…分かった、今行く!」
俺はドアを開け、急いで階段を降りていった。
颯輝「あれ?その眼鏡どうしたんだ?」
涼夜「壊れかけの眼鏡を貰ったから修復して使う事にした。やっぱ、サングラスじゃ見栄え悪いと思ってね。」
颯輝母「え!どうやって修復したの?」
涼夜「それは内緒。」
颯輝母「えぇ〜、教えてよ涼夜!」
そんな話を続けながらお昼ご飯を食べた。
時が進んで夜、お風呂を上がってきた時だった。
颯輝母「どうしようか、颯輝…」
颯輝「もう帰って来るのかよ…」
リビングに入ると、颯兄と颯兄の母さんが困った表情をしていた。
涼夜「…ん?母さん、兄貴、どうしたんだ?」
颯輝母「もうじき…夫が出張から帰ってくるの…」
涼夜「兄貴の父さんが?帰ってきたらマズイのか?」
颯輝「マズいっていうかなんというか…父さんって…結構手が出やすいんだよね…」
涼夜「なるほど。下手に接したら攻撃をくらうんだね…」
颯輝母「それも少しづつエスカレートしていってて…」
颯輝「しかも、全然働かないんだあいつ。母さんは最近仕事を少し減らしたけど、それでも十分やってける収入はあるんだよ。」
涼夜「じゃあ…母さん1人で事足りるんじゃないかな?」
颯輝母「でも、夫に家を出て行ってなんて言ったら…」
涼夜「逆上して手が出る、と。」
颯輝母「そうなの…まぁ、取り敢えず2人はもう寝なさい。」
颯輝「分かった、母さん。」
涼夜「お、おやすみ、母さん。」
俺と颯兄はリビングを後にした。
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>>2
涼夜「…颯兄、何か聞こえなかった?」
颯輝「いや?俺は聞こえなかったよ。確認しに行こうにも夜中じゃ出歩けないし…」
>>3
レイン「ボドボドになりそうだった...でナズェ落ちたんディス!?」
>>8
霞「なるほど。…と言っても自分おすすめ出来る場所が殆どない…強いて言うなら鱗葉市民公園くらいかな…」
>>10
霞「氷河…あーね。なら、颯兄の家に行くんだね。ただ、いきなり家凸するのはやらない方がいいと思うよ…」