彗星と暁光
2031年1月
『今朝、アメリカ航空宇宙局 、NASAはベルナージネリ・バーンスティーン彗星が突如として軌道を変えこのままでは地球に明日、日本時間未明に落下すると発表しました。これを受けて国連はーーー』
「……え?」
真田圭一はそのニュースを見た瞬間、あまりにも突然の事に驚いてしまい思わずコーヒーをこぼしてしまった。
「うわっ!あっつ!最悪だ……」
その日、世界中の人々はひとつの彗星によって明日、そして未来を滅ぼされる事を知り、パニックに陥った。ある者は発狂し、ある者は犯罪を犯し、ある者は諦観し、ある者は全財産を注ぎ込んだ。しかし、この男は狂うわけでもなく、罪を犯すわけでもなく、諦めるわけでもなく、散財したわけでもない。彼はいつもと同じく日常を過ごす事にしたのだ。
◆◆◆
街中
「しかし、世界が滅ぶなんて実感が湧かないなぁ。」
国連加盟国が総力を上げて彗星を迎撃するらしいが、そんな事には興味がない彼はいつも通りのスーパーに行って食材を買い晩飯を作って食べるため、スーパーに向かったが……誰もいない。店員も…常連のお客さんも…
「あれ?誰もいないな……」
真田圭一は少しの間考え込む。
「やっぱ、みんな世界が滅ぶから好きな事してんのかな。まぁ一応、お金は置いておくか。」
「離してください!」
「うぇーい!」
「いい女じゃねえか、こっちに来いよ」
彼がお金をセルフレジに置き、店の外に出た時、複数の男達が1人の女性を取り囲んでいて、その女性、いや、彼の幼馴染は嫌がっているようだ。
「おい麗奈、逃げるぞ。」
「ふぇっ?」
彼は咄嗟に幼馴染の手を引き、走り出していた。
「おい、コラ!待てぃ!」
「うわ!なんだ?!ゲホゲホゲホ」
「うわぁぁ!目がぁぁぁぁぁ!!」
彼らは追いかけようとしたが真田圭一がついさっき買った胡椒が振りかけられ、怯んでしまう。その隙に真田とその幼馴染は逃げ出したのであった。
◆◆◆
真田圭一の家
「あーあ……人生最後の晩餐はチャーハン食おうと思ってたのにな……ハハハ」
「ケイくん……さっきはありがとう」
「ああ、災難だったな。でも困ってる人を助けるのは普通だろ?だから礼は良いよ。ていうか久しぶりだな!」
相川麗奈は彼の幼馴染である。連絡先も交換してない。だから彼はたまたま、しかも人類滅亡の日に会えた事に嬉しく思っている。
「うん、久しぶりだね……」
「チャーハン食うか?胡椒ないけどw」
「……なんでそんなに明るくいられるの?世界が滅んじゃうのに……」
「え?うーん……まぁ、彗星なんてどうしようもないから、悲しむよりは楽しんだ方が良いじゃん?」
麗奈は少し考えたが……
「……そうね!楽しんだ方が良いわよね!」
と圭一の考えに納得し、一緒にチャーハンを食べる事にした。
◆◆◆
そして人類最後の夜、世界中のロケット、誘導弾、その他あらゆる飛び道具で彗星に土砂降りのようにあらゆる攻撃が行われ、その爆発の光で夜なのに昼のように明るくなっていく。
「うわぁ〜すげ〜や!これ!」
「せっかく、街中の電気がなくなったから星座見れると思ったのに!」
「まあまあ、これはこれで良いじゃん!」
「激おこぷんぷん丸!」
「あはは!」
ふたりが窓の外を見ると、暁光が差し込み割れた彗星が大気圏と摩擦を起こして赤、青、紫、緑など様々な色に妖しく光り、幻想的な風景を描く。
「おお〜!まるで宝石みたいだ!」
「ケイくん……あの日の約束……覚えてる?」
「約束………?」
「ええっと……」
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END……?
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