僕たちの夜は明けない.
ある日、君が僕に言った。
「僕には朝が来ないんだ」って。
何言ってんだこいつって思った。だって、さっき「おはよう」って言ったばっかりなんだから。
でも、不思議とイメージだけはわいてきた。
学校行きたくないとかかなって。思ってた。その日学校につくまでは。
教室に入った瞬間。
バシャンッッ
え。何。
目の前の光景が信じられなかった。
「。。。」
「ごめんね。そこにいるの、見えなくて。」
「お前、絶対見えてただろw」
「え~?なんのことぉ~」
何。なに。なんなの。どうしよ。。。なんか声出さないと。。。
「え。。。?」
やっと出たのはその一音だけだった。
「あ、大丈夫?」
「うん、大丈夫。」
君は笑った。すべてあきらめたような目で。
「あれ~?東雲もいたんだ。久しぶりだね~。東雲いい子だから助かるよ。」
「都合がいい子の間違いだろwお前ほんと性格わりぃなw」
なんで。なんで笑えるの?
君は僕の手を引いて走り出す。
どこに行くかはわからない。でも、僕も逃げなきゃいけない気がしていた。
「はぁ、はぁ。。。ッッはぁ。。。」
「あのさ、僕が不登校の間に何があったの?」
「東雲くんが、不登校になったの、あいつらが原因だって、勘違いして、歯向かった。」
「ちが、、、」
「あいつら、東雲くんのことこき使ってたから。」
「。。。僕もさ、なんで不登校になったのか、自分でもわからないんだよね。なんか、ね。学校行くのめんどくさいなって思っちゃったんだよね。」
ほんとにわからなかった。 ただ、とにかく、学校に行くのがめんどくさかった。
「あいつらに付き合うのがめんどくさかったんでしょ。」
「。。。そうかもね。」
「あ、もうすぐ授業始まる。」
「おーい。東雲たち戻ってきたよ。」
「おかえり~。」
「一時間目、自習だって。」
「と、いうことは~?」
「一緒に遊びほうだーい!」
やばい。何されるか、予想がつく。
「さっきのでジュースなくなっちゃったから、東雲買ってきてよ。」
「さすがにそれは。。。」
取り巻きが言う。
「は?なんか文句?」
「いや。。。」
言い返さないと、言い返す?なんで?ここで従ったほうがいいかもしれない。
ふと振り返ると、君が泣きそうな目でこっちを見ていた。あ、そうか。君を守るために、言い返すんだ。
「おい、返事しろよ。」
自分の手が震えてるのがわかる。
でも、
「うるせぇ。ブス。」
慌てて口をふさぐ。こんな暴言吐いた僕もこいつらと一緒だ。
「は?」
「お前、、、」
「ごめんなさい。さすがに今のはよくなかったと思います。」
「謝ってすむわけねぇだろ。」
「あななたちも、僕らにジュース買いに行かせたり、ジュースぶっかけたり、そういうことをしてもいいとほんとに思ってます?思ってないから笑ってるんですよね。周りの奴らを見てください。ほんとはあなたのことなんてひどい奴だと思ってますよ。気づかないなら自覚してください。」
「そんなわけねぇ。。。よな、、?」
「。。。」
「答えろって、、、」
「思って、ないよ。うん。」
「ね、、」
「だってよほら。ジュース買ってきてね~。」
一気に夜になった気がした。星がきれいな夜なんかじゃない。曇った夜。真っ暗な夜。暗闇につつまれる感覚。そっか。君もこうだったのか。
この日をもって僕、東雲ゆうと、君は、夜に沈んでいった。