僕たちの夜は明けない.

15 2024/06/04 08:13

ある日、君が僕に言った。

「僕には朝が来ないんだ」って。

何言ってんだこいつって思った。だって、さっき「おはよう」って言ったばっかりなんだから。

でも、不思議とイメージだけはわいてきた。

学校行きたくないとかかなって。思ってた。その日学校につくまでは。

教室に入った瞬間。

バシャンッッ

え。何。

目の前の光景が信じられなかった。

「。。。」

「ごめんね。そこにいるの、見えなくて。」

「お前、絶対見えてただろw」

「え~?なんのことぉ~」

何。なに。なんなの。どうしよ。。。なんか声出さないと。。。

「え。。。?」

やっと出たのはその一音だけだった。

「あ、大丈夫?」

「うん、大丈夫。」

君は笑った。すべてあきらめたような目で。

「あれ~?東雲もいたんだ。久しぶりだね~。東雲いい子だから助かるよ。」

「都合がいい子の間違いだろwお前ほんと性格わりぃなw」

なんで。なんで笑えるの?

君は僕の手を引いて走り出す。

どこに行くかはわからない。でも、僕も逃げなきゃいけない気がしていた。

「はぁ、はぁ。。。ッッはぁ。。。」

「あのさ、僕が不登校の間に何があったの?」

「東雲くんが、不登校になったの、あいつらが原因だって、勘違いして、歯向かった。」

「ちが、、、」

「あいつら、東雲くんのことこき使ってたから。」

「。。。僕もさ、なんで不登校になったのか、自分でもわからないんだよね。なんか、ね。学校行くのめんどくさいなって思っちゃったんだよね。」

ほんとにわからなかった。 ただ、とにかく、学校に行くのがめんどくさかった。

「あいつらに付き合うのがめんどくさかったんでしょ。」

「。。。そうかもね。」

「あ、もうすぐ授業始まる。」

「おーい。東雲たち戻ってきたよ。」

「おかえり~。」

「一時間目、自習だって。」

「と、いうことは~?」

「一緒に遊びほうだーい!」

やばい。何されるか、予想がつく。

「さっきのでジュースなくなっちゃったから、東雲買ってきてよ。」

「さすがにそれは。。。」

取り巻きが言う。

「は?なんか文句?」

「いや。。。」

言い返さないと、言い返す?なんで?ここで従ったほうがいいかもしれない。

ふと振り返ると、君が泣きそうな目でこっちを見ていた。あ、そうか。君を守るために、言い返すんだ。

「おい、返事しろよ。」

自分の手が震えてるのがわかる。

でも、

「うるせぇ。ブス。」

慌てて口をふさぐ。こんな暴言吐いた僕もこいつらと一緒だ。

「は?」

「お前、、、」

「ごめんなさい。さすがに今のはよくなかったと思います。」

「謝ってすむわけねぇだろ。」

「あななたちも、僕らにジュース買いに行かせたり、ジュースぶっかけたり、そういうことをしてもいいとほんとに思ってます?思ってないから笑ってるんですよね。周りの奴らを見てください。ほんとはあなたのことなんてひどい奴だと思ってますよ。気づかないなら自覚してください。」

「そんなわけねぇ。。。よな、、?」

「。。。」

「答えろって、、、」

「思って、ないよ。うん。」

「ね、、」

「だってよほら。ジュース買ってきてね~。」

一気に夜になった気がした。星がきれいな夜なんかじゃない。曇った夜。真っ暗な夜。暗闇につつまれる感覚。そっか。君もこうだったのか。

この日をもって僕、東雲ゆうと、君は、夜に沈んでいった。

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その他2024/06/04 08:13:33 [通報] [非表示] フォローする
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