【小説】悪魔のくせに人間と
『悪魔のくせに人間と』
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「あれ、あの子何してんだろ」
やっほー、僕は悪魔。魔界のそこら辺にいる、ただの雑魚。...なんだけど...
人間に変装して、人間界に遊びに来てる。
...いや、嘘だ。遊びに来てるわけじゃなく、天使から逃げている。天使と悪魔って仲が悪いイメージあるけど、実際は違う。でも最近、一部の悪魔が何か知らないけど悪いことをしたらしく、天使は悪魔のことを敵だと思い込んで悪魔を殺しているのだとか。そのせいで、さっき天使にあった僕は天使に殺されかけて、人間界に逃げてきた。
今は川のある自然豊かな公園にいる。
まあそれはさておき、僕の前の人間が木をじっと見つめながら立っている。
すると、急にその人間が泣き出した。ど、どうしたんだ...?
「あ、そこのおにいちゃ〜ん!!」
「え、僕!?」
「そう!あのね、ええと...木にオレのボールが引っかかっちゃったの!取ってくれない?」
なるほど、ボールが引っかかったのか...って、どうやってあんなところにボールを引っかけたんだ...!!
...まあ僕は人間じゃないし、この人間はまだ幼いから正体は見せて取ってやってもいいだろう...。
一僕は、悪魔の翼をのばして、木の上のボールを取った。
え!?と人間は驚く。まあそりゃそうか。
「すごいね、おにいちゃん!空飛んだ!!」
「お、おう...」
「ありがとう!おにいちゃん、なんて名前?」
「あー...名前か...。」
基本、悪魔には名前はない。でも、あだ名的なものはあって、僕は悪魔の翼が小さいから「翼が小さい悪魔→小悪魔」で、そこから取って「コア」と呼ばれてる。こ、小悪魔じゃねえし!!翼が小さいだけだし!!
「うーん...適当にコアって呼んでくれ。」
「コアくん?わかった!よろしくね!」
「よ、よろしく......?」
よろしくって、なんかこれからもまた会うみたいな感じだな...
「じゃあせっかくだから、オレと一緒にボールで遊ぼうよ!」
「まあいいけど...ってお前の名前はなんだ?」
「オレはシュンって呼んで!」
「ア、ハイ。」
一それから、僕らはボールで遊んだ。
「あはは、コアくん変なところに投げすぎ!」
「ああ、すまんすまん...ってシュンこそ変な方向に投げてるけどなぁ!?」
「ごめんwよーし、遠くまで投げてやるー!」
「ひぇ〜〜〜」
一ザブン。
「「あ」」
「ボール、川に落っこちちゃったね。」
「どうしよ、僕泳げないんだけど...」
「じゃあオレが取ってきてあげるよ!」
「え、ちょっとシュン!待て!」
そんな無理をしなくても...僕が飛んで取ってきてあげるのに。
一ザパーン!!
「ボールボール〜あった〜」
「気をつけてくれ...」
「ゲット〜!...って、あれ、わわわー!!」
「シュン!?」
風の影響で川の流れが速くなり、シュンが流されていく。いや、そんなこと考えてる場合じゃない!早く、助けないと...
でも、どんどん奥の方へ流されていく。
「助けて!」
一助けないと。...助けないと!!
「今行く!!」
一今まで人間なんかどうでも良いと思っていたのに、不意に助けたいと思ったのだ。
僕は空を飛んで、シュンに近づいた。そして、やっとの思いでシュンを抱き抱えて陸へ上げることができた。
一しかし...
時すでに遅し。シュンはぐったりしていた。
もう遅いか...そう思った刹那、白い翼一天使が降りてきた。天使は人間が死ぬ間際にその人間の前に現れ、魂を抜き取る。
僕は人間の姿に変装していたので悪魔だと気づかれていなさそう。...良かった...良かった...?良かったのか?いや、良くないな。
天使はシュンの前に立ち、魂を抜こうとした。...ダメだ!
「やめろ!!」
僕はシュンの前に立った。そのまま、"僕の魂"が抜かれていく。
「あら、これは悪魔じゃありませんか。まあいいでしょう。ついでに悪魔も殺すとしましょうか。」
くやしい!まだ終わりたくない!!
...でも、何かを守るって、こんな気持ちなんだ...。どこか、温かいというか、なんというか...。
「あなたはここで終わり。さよなら。」
「ああああああああああ!!!!!」
そのまま、僕の意識は...消えた........
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あれから数十秒後、悪魔一コアは光に包まれ、消えていった。残されたのは、オレと天使一"テロ先輩"2人だけ。
「「いぇい」」
オレたちはガッツポーズをした。
「シュンくん、いい演技だったよ」
「テロ先輩こそ良かったですよ。やっぱり先輩だからすごいですね...。いやー、やっぱり悪魔はアホですね。人間と仲良くしようとしてたし。...まあオレは天使なんですけどね!」
「あははは、そうだね。」
一そう、オレは天使。人間なんかじゃない。
オレたち天使は、悪魔を殺そうとたくさんの計画を立てた。すると、悪魔は意外と心優しいと聞いたから、困っている人を見つけたらすぐ助けるのだとか。だから、テロ先輩たち天使が悪魔を追いかけて人間界へ連れていって、オレが人間の変装をして困ってるようにしてたら、案の定悪魔が助けに来たってわけ。だから、オレが溺れてたのも、テロ先輩がオレの魂を抜こうとしていたのもただの演技。チョロすぎるわ、悪魔。
「さて、天界に帰ろうか。」
「そうですね、テロ先輩」
そう言葉を交わして、オレたちは天使の輪と翼を揺らして、天界へ帰った。
[完]
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どうもるーるーです!
どうでしたか?最後は驚きでしたよね!!ですよね!?(圧)
小説、結構長くなりました...スクロールお疲れ様です!あと続きはないです!
ちなみに、シュンくんとテロ先輩の名前の由来は、なんとなくシュンくんは運動神経良さそうだから「足速い→瞬→シュン」で、テロ先輩は白い天使だからそこから取って「テロ」にしただけです!
ちなみにトピ画は10分クオリティコアくんです!
面白いと思った方はいいねと投票よろしくお願いします!
では、さよなら!
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