病院の目

これはプールのとあるアミューズメントパークに私の夫と小学生の息子娘の4人で行った時のことです。

絶好のプール日和だった記憶があります。

息子「ママ！」

息子の声にハッとします子供たちが流れるプールをはしゃいでいるのを見ながら私はいつの間にかうたた寝をしてしまったようです。

さっきまで一緒だった娘とはぐれてしまったと不安そうに言いました。

夫はトイレに行っているようです。

最初は大したことはないと思いながら娘を探しながらプールをちょうど半周くらいした時私は全身から一気に血の気が引きました。

流れるプールを挟んだ向こう側謎の女性に手を引かれる娘がいたんです

女性は看護師のような服装をしていました

私は大声で娘の名前を呼びますが振り向くそぶりはありません。

すると2人はそのまま施設内へと入っていったんです。

私も続いて施設に入ってスタッフに尋ねると「看護服を着たスタッフはうちにはいませんけど」

すると見知らぬ番号から着信が入りました。

電話相手「もしもし…ママ」

娘の声に心が飛び跳ねました

娘「どこにいるの？」

突然電話はそこでブチッと切りました。

今思えば娘の声ではなかったかもしれません。

私はすぐに最寄りの病院を調べるとすぐ近くに一件ヒットしました

私は息子と夫を置き去りにしてスマホだけを頼りにその病院まで急ぎます

目的地に着きます、

するとどう見ても営業していないんです。

昔は営業していたかもしれませんが今は完全に廃墟でした

しかし引き返そうとした時2階の窓際に虚ろな表情でこっちを見る娘が立っています。

私はすぐに走り出し荒れ果てた病院内を駆け抜き先ほど娘がいた場所へたどり着きました。

そしてこちらに背中を向けて立っている娘をその場で抱きしめました。するとスマホに夫から着信が入ります

夫「おい、お前どこにいるんだみんな心配してるぞ」

私「あなた良かった娘がいたすぐそっちに戻るね」

すると少し沈黙の後、

夫「お前何言ってんだ娘はここにいるぞ」

私「え？」

私(私が今一緒にいるの…)

するとさっきまで娘だと思って抱きしめていたものがゆっくりとこちらを振り返ります。

気づいた時にはいつのまにか無数の黒い影に囲まれていました

辺りを見ると普通の病院に患者や看護師医者などがいるんです。

ただ一つだけ違うのはみんな目がなかったんです。

ぽっかりと黒色のような穴が2つあるだけ。

振り返ってきた娘の顔を見ると

ボロッ　どさ　

目ん玉がそのまま床にこぼれ落ちました。

私はその瞬間気絶しました。

そしてしばらくして目を覚めると周りには誰もいなくなっていました。

私はこの話を未だに夫にはしていません。

ただ最近ちょっと困ったことがあるんです。

疲れたり気が緩んだりすると目ん玉がポロリと外れそうになるような感覚があるんです。

怖いですよねぇ

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