《不死川が酒飲むってよ》2
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↑こちらの続きとなっています。
「宇髄ィ。」
「ん?何?実弥ちゃん。あ!もしかして酔った?」
「そうかもォ。なんかぽやぽやするゥ。」
今のところは大丈夫そうだな、と悲鳴嶼が言った。酒を飲んだせいか、頬を赤らめた不死川が宇髄の方に顔だけではなく体全体を向けた。宇髄の前に正座をするような形だ。
「どしたの。急にこっち向いて。」
「宇髄が二人いるゥ。ふふふ。」
「へ?」
突然の発言に宇髄が間抜けな声を溢す。
少し前に不死川がこんな顔を見せる時はおはぎを食べている時や、自分の家族に対する笑みの時しかない。と言ったが、そうではなかったらしい。酒を飲んで酔った時にも不死川はこんな顔をするようだ。
「どっちが本物だァ?こっちかァ?それとも、こっちィ?」
不死川の言葉に『本物はこっち!』と手を振りながら宇髄が焦ったように言う。
「こっちィ?」
「そう!あってる!」
「本当ォ?」
「本当!!」
ボスンっ
という音と共に不死川が宇髄に抱きついた。誰かの驚いたような声が聞こえた。
抱きつかれた宇髄は『さ、実弥ちゃん?』と行き場を無くした手をプルプルと振るわせている。
「本当だァ〜触れるゥ。」
ふふふ、とまたも笑いながら不死川が言った。
そんな不死川を見て胡蝶は『かわいい〜』と成人男性に向かって言うようなことではないことを口にした。
胡蝶の隣にいた煉獄も『うむ!確かに愛い!!』と元気に声を張り上げた。
「俺ァ別にかわいくねぇよ。なァ?宇髄。」
胡蝶と煉獄の言葉を聞いていたのか、不死川が反応する。
問われた宇髄は未だ不死川に抱きつかれているので、頬を真っ赤に染めながら固まっている。
それを見た不死川が『宇髄ィ?おーーーい』と問いかけ、少し体を傾けてから宇髄の頬を横にぐいーっと引っ張った。
「さ、されみちゃん・・・!?」
「あはは。ほっぺかってェー。」
「そりゃそうよ!?だって俺二十三歳だよ?ほっぺなんてカチッカチだわ!!」
自分の頬が硬いと言われ宇髄が少しカッとなる。そんな宇髄を気にもせず不死川はへらへらと笑っている。完全に酔ってしまったようだ。
「そんなことねェよ。玄弥とかもちもちだもん。」
「そりゃ弟だからね!美化してんじゃないの?あとそれ多分昔の記憶。多分今は俺と同じで玄弥もカチッカチだと思うよ?」
「美化なんかしてねェ!」
今度は宇髄の言葉に不死川がカッとなった。不死川は自身の弟をこよなく愛している為、怒ってしまうのも無理はないだろう。不死川は顔に似合わず愛情深いのだ。
「じゃあそういう実弥ちゃんはどうなのよ。多分実弥ちゃんのも硬いと思うよ?ほら・・・・・・へ?」
じゃあ、と言って宇髄が不死川の頬を両側から両手でぎゅむっとおした。そう、おしたのだ。だがそこから動かなくなってしまった。『へ?』という情けない言葉を発したくらいだ。
「うじゅいィ?」
そんな宇髄を不審に思ってか、頬をおされてるのと酔ってしまったが為に呂律が上手く回らない不死川が不安げに言った。そんな光景をみていた悲鳴嶼が口を開いた。
「宇髄、どうしたのだ?」
「悲鳴嶼さんやべぇ。こいつめっちゃほっぺ柔らけぇ。」
悲鳴嶼の言葉に数秒固まっていた宇髄が動きだしもちっもちっ急かしなく手を動かし、不死川の二十一歳にしては物凄く柔らかい頬を堪能する。
「マジで魅惑のほっぺ。」
「え!本当?!わたしも触りたい!」
宇髄の言葉に胡蝶が『わたしも!わたしも!』と反応する。
「不死川君ちょっとこっち向いてくれる?」
「うん。わかったァ。」
酔いが回りに回ったのか、いつもより柔らかい口調でなんの疑いもなく胡蝶のいる方に顔を向ける。
そんな不死川に『じゃあ』と言って胡蝶が不死川の頬に手を添えた。
もちっ
「うわぁ。確かにもちもちー。」
「ふへェ?」
胡蝶の言動に一瞬驚いたものの、密かに胡蝶を姉のように思っていたのと、普通に気持ちかったのが重なりすぐに気を許してしまった。単純に初酒で頭がバカになってるのもあると思うが。
「・・・不死川君。かわいいわ。」
「ふへへ。」
不死川は笑ってるが、胡蝶の言葉は耳に届いていない。でも先ほども言った通り、胡蝶の手つきがどこか気持ちよく感じるので身を任せている。もし不死川が猫だったら喉がゴロゴロと鳴っていたことだろう。
「あら。」
余程気持ちよかったのか、不死川は胡蝶に身を預けたまま夢の世界へと旅立ってしまった。不死川が他人の前で寝るなんてことは滅多にないが、初めての酒だ。仕様がないだろう。
「寝ちまったかー。」
「不死川の寝顔はこんなものなのか。(思った以上に可愛い)意外だ。」
「思った以上に愛いな!!」
先ほども言った通り、不死川が他人の前で寝ることは滅多にない。だからあまり見れない寝顔に皆、目がいってしまう。宇髄も『不死川って以外と童顔だよな。』なんて呟いている。
「不死川も寝ちまったし解散するか。」
「そうね。」
「南無・・・。」
そうと決まれば早くお支払いをしてしまおうと皆せかせかと動き出した。そう二人を除いて。一人はとろんとろんに酔ってしまった不死川。もう一人は____冨岡だ。
「不死川はともかくてめぇは動けよ冨岡ァァア!!!!!」
「悲鳴嶼さん。昨日はすまなかった。」
「いや、気にするな。」
「・・・じゃあこれだけ受け取ってくれェ。」
翌日、職員室では不死川が悲鳴嶼に申し訳なさそうに頭を下げていた。
昨日不死川は居酒屋でとろんとろんに酔って眠ってしまったのだ。本当に個室でよかったと思う。
そんな不死川を不死川の家まで届けたのが悲鳴嶼だったのだ。不死川は顔に似合わず義理堅いのできちんと菓子折り付きで謝りに来てたのだ。
「南無・・・ありがたくいただこう。」
「こちらこそありがとうなァ。」
じゃあ、とだけ言って不死川は一旦その場から立ち去った。そして宇髄の元へと向かった。それはある事を確かめる為だ。
「宇髄ィ。俺ァ昨日暴れなかったかァ?」
一番気になっていた事。自分の酒癖が悪くないか確かめにいったのだ。少し前も言った通り、不死川の父親は酒癖が悪く、自分の家族に暴力を振るうほどだった。不死川の家族は父親の暴力に苦しみながら生きてきた。だからもし自分が加害者になってしまったら、と考えると怖くて怖くて気が気じゃないのだ。
なんでそんな事をちゃらんぽらんの宇髄に訊くかねぇ。と思うのだが。
「いんや。全っ然大丈夫だったよ?むしろ可愛かったわぁ。」
「はァ?」
かわいいってなんだ、と不死川の頭にはてなが飛び交った。本気で宇髄の真剣を疑った瞬間だった。居酒屋で宇髄が酔っている時に言われる時はあれど学校の、しかも職員室でかわいいなんて言われたのは初めてだったからだ。
「本当に可愛かったんだよ?」
「え、いや、はァ?マジでェ?」
「うんマジ。ずっとへらへら笑ってた。」
「マジかァ〜〜〜はァ〜〜〜」
最悪ゥ、と不死川はため息をついた。
実はあのとろんとろんの不死川の姿を宇髄は写真に撮っていたのだが、それはここだけの話。
終わり方中途半端ですみませぬ()
小説は適当にパパッと書くタイプなもので・・・
いや〜日本語って難しいですね。小説家の皆様尊敬しかない✨
とにかく不死川さんが好きなんです。それが伝わればまずは十分ですかね。