夢を食べる和菓子
———「夢を食べる怪人がいるって知ってる?」
そんな噂が町中に広がったのは、あるよく晴れた日の朝だった。
桜の花びらが舞い散る中、女子高生の百奈は、友達の莉琉と一緒に『甘味処さくら』に足を運んだ。甘味処さくらとは、町中にある和菓子屋のこと。
店の扉を開けると、和菓子の甘い香りがふわりと漂ってくる。
「ねえ、百奈。噂の『夢見団子』を食べてみてよ。」
興味をそそられた百奈は、「本当に夢の中に行けるのかな?」と少し不安になるばかりだった。
店主、こと甘味処さくらの店を持っている桜夜は、優しい笑顔で2人を迎え入れた。
「この団子を食べると、夢の中であなたたちの願いが叶うかもしれない。けれど、気をつけて。夢の中には、夢を食べる怪人がいるから。」
そう、優しいような怖いような声で言い張る桜夜。
百奈はドキドキして、そわそわしながら団子を口にへと運ぶ。
すると、突然目の前がふわりと霞み、色とりどりの和菓子でできた美しい国が広がっていた。
空には金色の雲が浮かび、川は甘い蜜で満たされている。
しかし夢の中には、確かに夢を食べる怪人が潜んでいて百奈の夢を狙っていた。
怪人は、かつて夢を追い求めていたが、失敗し続けた結果夢を食べる存在になってしまったのだ。
怪人は、夢を食べることでしか自分を満たせなくなってしまっている。
百奈は、夢の中で出会った仲間たちと共に怪人から逃げながら、夢の国を冒険することになった。
百奈たちは和菓子の精霊たちと協力し、怪人の過去を知るための手がかりを探し始めた。
百奈は怪人の悲しみを理解して、怪人を救う方法を見つけるということを決意する。
怪人に「夢は1人で見るものではなく、みんなで分かち合うものだ」と伝え、怪人の心を解きほぐすことに成功した。
怪人は百奈の言葉に深く共感、そして感動し、百奈の夢を食べることをやめた。
最後に、百奈は夢の中での冒険を通じて、自分自身の願いを見つけることができたのだ。
百奈は夢での経験を胸に、目を閉じた。
目を閉じているはずなのに、目の前が霞む。
そして目を開けると、現実の世界に戻っていた。
百奈は、甘味処さくらで待っていた莉琉と再び合流した。
にっこりと笑う百奈の笑顔は穏やかで、見ている側もほっこりしてしまうほどだった。
穏やかで優しい音色の声が、辺りを揺らす。
「夢は、私たちが一緒に見るものなんだね。」
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すっごく素敵!!!✨
怪人もちゃんとストーリーというかかつて夢を追い求めていたけど、失敗し続けた結果夢を食べる存在になってしまったっていう設定がちゃんとあってすごく良い!!!
自分と怪人の感じ?がところどころ重なっててすごい共感できたし、百奈も怪人の悲しみを理解できてるのがいいなって思ったよ~!
「夢は1人で見るものではなく、みんなで分かち合うものだ」って言葉も心に残った💗
これからも頑張って!!!