【短編】クソが【起きたら滅多刺し】
クソクソクソ。
油断していた。まさか一晩でこんなことになるなんて、信じられない。犯人を今すぐにでも殺してやりたい。俺だけがこんな目に遭うなんて、あんまりじゃないか。沸々とした怒りが俺を包む。許せない。
目を覚ますと手足など、体の隅々を滅多刺しにされていた。信じられるか? 一晩で、だぞ。自分でもうまく現実を受け止めきれない。なんで俺なんだ、なんで、隣の家のやつでも良かっただろう。犯人に対して怒りが止まることを知らない。
俺が何をしたっていうんだ。こんなに悔しくて、辛いのに、警察は動いてくれない。
滅多刺しだぞ!? 大事件じゃないか!!!! 警察は何してんだよ!!
ギリギリと奥歯を噛み締める。何か、俺がきちんと戸締りしなかったのが悪いのか? 窓ぐらいいいじゃんか、2階だし。ああもう、窓閉めておけば良かった。過去の俺に苛つくが、どれだけ苛ついたところで過去は変わらない。そんなことより犯人が憎くてたまらない。今もいい気になってそこら辺を呑気に彷徨っているのだろう。
クソクソクソ
蚊なんて死んじまえ。
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