不思議な生き物。3

4 2025/09/07 20:29

前回のあらすじ 不思議な猫を連れ病院に向かった(坂本 瑠那)。病院に連れて行った猫が、〝ポケモン〟の〝エーフィ〟だと言われる。そしてなぜか幼馴染の(佐奈)に病院の手伝いをしてほしいと頼まれ手伝いをするお話。

「お、お次の方どうぞぉ…」

「坂本さん顔、引きつってますよ」

「す、すいません」

私は、佐奈に頼まれ、病院の手伝いの最中だった。ただ…病院のナースなど、しかもポケモンなんて今さっき知ったのにナースなど出来るのだろうか。

「あ、あの…」

「ア、ハイ!...ド、どうされましたか?」

私は、慣れない笑顔を作りながら事情を聞く。

「今日は、〝イーブイ〟を見てほしくて...」

相手は男性。私は足元をチラッと見てみると、茶色の狐がぴょこっと顔を見せる。つぶらな瞳と暑そうな首元のモフモフ。尻尾はまるでさつまいものようだ。

「あぁ...イーブイですね!少々お待ち下さい!」

「わ、分かりました。」

男性は、イーブイを連れて待合室の椅子に座る。私は少々不安になりながら順調にお客様を捌いていく。

「ふー...病院って大変かも...」

「坂本さんもこの大変さが分かりましたか。」

「あ...ははは、」

そういえば、相談に乗ってもらっている時に(病院のナースっていいですよね、絶対サラリーマンとかより楽な仕事じゃないですか)と言ったことがある。あの時、ニコッと笑っていたけど、怒っていたのかもしれない。

「すいません。少しいいですか?」

今度は若そうな女性が来た。だが、ポケモンを連れていない。

「はい!どうかされましたか?」

「えぇっと私の子少し大きめの子で...外にいるんですけど来ていただけますか?」

「あぁ...えぇっとぉ...」

私はこの場合の対処がわからなくて香菜さんの方をちらりと見てみると、香菜さんはフッとア◯ニャの余裕そうな笑顔を作る。かなさんでもアニメ見るんだな意外かも、と思いながら私は女性の後を追った。病院の外へ出ると目の前が暗くなる。見上げてみると大きな山が前にあった。私は、恐怖でプルプルと震えてしまう。

「私の子、カビゴンなんですけど...最近ご飯をあまり食べなくて...あの、大丈夫ですか?」

「え!?カビゴン!?あぁえっと大丈夫です...」

カビゴンを連れてきたお客様は何人か居た。だがこのカビゴンには木や草が生えている。

「あぁ...えっと先生を連れてきますね!」

私は、佐奈の下へ走っていく。走っていく途中「こら!瑠那さん!病院内では走らないでください!」と香菜さんに怒られる。が、それを無視して奥の部屋に入る。

「さーちゃん!助けて!」

私は大声を上げながら扉をバンっ!と開ける。

「うるせぇな。どうしたんだよ、瑠那」

「あ、あのね?カビゴンを連れたお客様が居て、でも大きくてそれで木とか草が生えてて...」

「あぁそりゃ、〝キョダイマックス〟の姿じゃないか?あと、病院内では大声を控えるように」

「す、すいません」

佐奈は「早くカビゴンのもとへ連れてけ」と言うと私の服の裾を掴む。私はさーちゃんを連れカビゴンのお客様の下へ連れて行った。

「お待たせしました。さーちゃn...先生を連れてきました。」

「お待たせしやした〜。キョダイマックスのカビゴンくんですね〜腹痛とかですかねぇ?」

「あ〜いや、腹痛かは分からないですけど何かご飯をあまり食べなくて...」

「はいはい、そういうことですか〜そうですねぇ...ではちょっとカビゴンくんの上乗らせていただきますねぇ」

さーちゃんはそう言うとカビゴンのお腹をよじ登っていく。カビゴンの頭の近くでガサゴソ何かをする。するとカビゴンが大きく鳴き声のようなものを上げる。あまりのうるささに私は耳をふさぐ。すると奥からエーフィがカビゴンに〝たいあたり〟をした。カビゴンは可愛らしい手をパタパタさせると、パタッと手をお腹の上に垂らす。女性はポケットから丸いボールを取り出すと、カビゴンはその中に入っていった。私はポカンとしていると、さーちゃんはやり遂げた、と顔をしている。

「ちょっと!あんた!ナースよね!?早く受付やってくれないかしら!」

強そうなおばちゃんが私に文句を言ってくる。隣には目が宝石のようなポケモンが居た。私は「すみません!」と言うと受付へと走る。すると受付には大量のお客様が並んでいた。何故か香菜さんは居なかった。ひ〜っとなりながら私はジュババババッとお客様を捌いていく。するといちゃもんつけてきたおばちゃんがやって来た。

「うちのヤミラミちゃんを見てくれる?早くしてちょうだいね!」

「は、はい...分かりました。では、ヤミラミちゃんをお借りしますね」

私は、ヤミラミを預かると「こちらへどうぞ」とおばちゃんとヤミラミと一緒に部屋に入るとさーちゃんが椅子に座っていた。

「はーい。奥様は、そちらのベンチにおかけください。ヤミラミちゃんはそこの椅子に座ってね〜」

さーちゃんは、サササッと準備をすると、私に向かって「何見てんの?早く受付戻ってくれる?」というと私を部屋から追い出す。づ、疲れた...と呟くと香菜さんが近寄ってくる。

「お客様は私が捌くからもぅ休んでいいですよ。」

と冷たいコーヒーをくれた。私はお言葉に甘えて休憩室に行くと机に突っ伏して眠ろうとする。テクテクと足音が聞こえる。誰だろ...と重い顔を上げると目の前に私が連れてきたエーフィが居た。うにゃむと鳴くと近くで丸くなり、眠った。私は大量の眠気が襲ってきてエーフィとともに眠ってしまった。

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