転生したら我儘嬢になってました。4
メイド長さんがドアを開けた。するとそこには優しそうでふんわりとした女性とダンディでスーツを着た男性が居た。多分私の母親と父親なのだろう。私はボケーっと見ているとメリーさんとメイド長さんはバッと頭を下げた。お嬢様...私は姫なのだろうか...母親らしき人はこちらを不安そうに見ている。私はフォークを置いて椅子から降りる。可愛らしいパジャマワンピの端と端をつかみ頭を下げる。
「お母様、お父様。おはようございます。」
私は今まで培ってきた営業スマイルと敬語で挨拶をする。と母親と父親は少し不思議そうな顔をしている。なにか間違えてしまったのだろうか...私は頭を上げ二人のことをじっと見ていると母親は、
「おはよう。エミリー、今起きたばかりなのかしら。寝癖がついているわ。」
そう言うと母親は私に近づき頭を撫でる。寝癖がついていたなんて気づかなかった。一応エミリーは、子供なのだろう。だが、私は大人だ。撫でられるというのは少しくすぐったい。
「はっはっは!凄い寝癖だ。あと口元にクリームが付いているぞ。」
父親も近づいてくると口元に付いたクリームをハンカチで拭いてくれる。会社の部長に似ている。凄いダンディで一部の人にはモテていたらしい。よくコーヒーを飲んでいたっけ。読書も好きだと話していた。また会いたいなぁ。母親と父親はとても優しい。
「起きたばかりでスウィーツを食べたの?食事なら大広間にあるのに...」
母親はそう言うと私の前に手を差し出す。私は母親の手に自分の手を乗せる。すると母親は私の手を握り直した。さぁ行きましょう、と私の手を引っ張っていく。私は
「お母様!どこへ行くのですか!そんなに引っ張らないでください!い、痛い!お母様!痛いです!」
引っ張る力が強くて痛い。こんなにのほほんとしているのに力が強すぎる。母親は怒っているのだろうか。母親は歩みを止めると私をギュッと抱きしめる。母親の目には涙が溢れている。
「階段から落ちたと聞いて心配だったんですよ!それから一週間も起きないで...怒っているんですよ!」
「ご、ごめんなさい!」
エミリーは階段から落ちたらしい。それから一週間も...それは心配するな。グゥ〜〜。私のお腹がなる。やっぱりスウィーツだけじゃ足りなかった...私は俯くと母親はクスクスと笑うと大広間に案内してくれた。大広間には大きなテーブルがあり椅子がいくつかある。真ん中の2つの席にはきっと両親が座るのだろう。他の席には私より歳上な子と年下の子がいる。兄弟だろう。私は母親に促されるまま椅子に座る。すると隣から声をかけられる。
「ねぇねぇ。お姉ちゃん、頭大丈夫?階段から落ちて強くぶつけたって聞いたけど...」
お姉ちゃん...つまりこの子は私の弟だ。私は大丈夫、と返事をしながら辺りをキョロキョロと見回すと、女の子と目が合う。
「何見てんのよ!そんなんだから階段から落ちたんじゃない?ほんと鈍臭いわよね、エミリーって」
「おい、アイラ。一応エミリーはお前の姉なんだ。姉さんと呼びなさい。」
「あぁ!?うるさいわね!レイン!アンタのことも兄と思ってないから!兄貴ヅラしないでよね!」
「な!なんてことを言うんだ!兄さんに向かって!」
「アイラもマイロも落ち着いて〜」
「うるさいわね。折角みんなが集まったのに、」
「ルナ!アンタは黙ってなさい!」
「負け犬の遠吠え...」
「なんですってぇ!」
なるほど...最初に話しかけてくれた子がマイロ。突っかかってきた子がアイラ。少し大人びた子がレイン。賢そうな子がルナ。五人兄弟なのかな...
「あら?あの子はまだ来ないの?」
「母さん、あいつなら今日は部屋で勉強してるって」
「折角相棒が起きたのに...アイラ、ちゃんとエミリーが起きたって言ったの?」
「えぇしっかりとハッキリ言ったわ。それともエミリーのこと嫌いなんじゃない?」
「そんなわけ無いでしょ、あの子エミリーといっつも一緒にいたじゃない。」
その時ガチャと大広間のドアが開いた。そこにいたのは...
続く

