転生したら我儘嬢になってました。5
大広間のドアが開いた。そこに居たのは、私に瓜二つな子が立っていた。私とその子は呆然と眺めていた。その子はハッとしたように目を擦ると大きな声で、
「エリー!会いたかったよー!」
と言う。私はびっくりして声が出ない。レイン兄さんが
「まだ病み上がりなんだから、エミリーも困っているだろう。」
「あぁそうだっけ!ごめんね!エリー、久し振りだと思うと...ね?」
「あぁ...大丈夫だよ...」
私は自分に似た人が顔を近づけるので少し怖気付いてしまう。私は少しオドオドしていると、アイラが気付いたのかこっちを見て
「アンタも何、オドオドしてんのよ。久し振りにオリバーに会えたのに嬉しくないの?」
私に似ているこの子はオリバーというらしい。どうやら双子、なのだろうか。
「久し振りね。オリバー、少し驚いてしまったの、」
私はゆっくりと言ってみる。がオリバーは目に涙を溜めうぅっと泣いている。
「前は僕のことオリーって呼んでくれてたのに...」
エミリーとオリバーは仲が良く愛称で呼んでいたみたい。他の兄弟を愛称で呼んでいなかった。そして呼ばれていなかった。
「ねぇねぇ。やっぱり僕があんな事したから、僕のことオリーって呼んでくれなくなっちゃったの?」
「?あんな事、ねぇオリバーあんなことって...」
オリバーは少し気まずそうに言い出すものだから気になってしまった。私が聞こうとすると、それを母が止めた。
「オリバー、エミリーその話はやめなさい。もうすぐソフィアがご飯を運んできてくれるから、二人で調理室に行ってきてちょうだい。」
母は少し低めの声でそう言った。これ以上の詮索は止めといたほうが良さそうだ。母はさっきより怒っている。私は、オリバーの手を引いて大広間を出た。オリバーは今にも泣きそうな顔をしている。年齢で言えば8歳くらいだろうか...母はとても優しそうな方だった。そんな母の怒った姿を見たのは初めてだっただろう。それで怖くなってしまったんだな。
「エリー、僕...なにか悪い事しちゃったのかな。母さんがあんなに怒ってるの始めて見たよ...」
「大丈夫だよ!それよりさ、今日のご飯なんだろうね!楽しみ!」
「...!そうだね!ソフィアのご飯は美味しいもん!」
二人で話していると、メイドさん達が大量の服を持って歩いてくる。メイドさん達がこちらに気付くと頭を下げる。少し気恥ずかしい。メイドさん達は頭を下げた時服を落とす。私が拾ってあげるとメイドさんは何度も何度も謝ってくる。服は見た感じ、私の物だろう。私はニコっと笑うと
「大丈夫、お洗濯ありがとうね。」
感謝を伝える。するとメイドさんは不思議そうな顔をしてバッと頭を下げ走って行ってしまった。オリバーも驚いた顔をしている。
「エリー...前まではすっごくヤンチャで手が付けられない程だったのに...おしとやかになっちゃって」
「そ、そうだっだけ?忘れちゃったなぁ〜」
エミリーは問題児だったらしい。それより自分と瓜二つの子と話すというのは少し不思議だな。すると後ろから声をかけられた。
「あれ?オリバー様、エミリー様どうかなさいましたか?」
後ろを振り返ると清潔感のある銀髪の女性が立っていた。
「あ!ソフィア!」
この人がソフィアらしい。綺麗なエメラルドグリーンの目が特徴的な人だな。
「始めまして、エミリー様。」
「あ...始めまして、」
エミリーとソフィアは、始めましてらしい。
「あれ?エリーとソフィアは始めましてなの?」
「え、あ...うん、始めましてだと思う。」
私は、始めましてだけどエミリーとも交流はなかったらしい。
「今日のご飯を聞きに来たんですよね?今日はスープにしようと思っています。」
ソフィアは優しく微笑む。オリバーは嬉しそうに笑う。どうやらスープが好きらしい。そういえばエミリーが好きな食べ物はなんだろう。私の好きなものはお寿司だけど...
「エリーはサケのムニエルが好きだよね!折角エリーが起きたんだし明日はサケのムニエルを作って欲しいな!」
「サケのムニエルですね?分かりました。明日作らせていただきますね。」
エミリーはサケのムニエルが好きらしい。ていうか、ここはどこなんだろう。日本...ではないはずだ。てなるとイギリスとか...う〜ん...
「ねぇあの...」
私は色々と考えていると誰かに声をかけられた。私はびっくりして後ろに下がる。すると小さい女の子が立っていた。
続く

