北海道江別市にいつのまにか《違法パキスタン村》が…問題提起の人物は「無許可でモスクを建てる彼らが理解できない」
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■ 北海道江別市で一体なにが…
札幌駅から電車で20分ほどの場所に位置する北海道江別市が、パキスタン人との共生問題で揺れている。
江別市は、人口11万7000人ほどの札幌市のベッドタウンだ。中古車販売業を営むパキスタン人が多い同市の角山地区は、礼拝所(モスク)や中古車ヤードなどの違法建築が確認されたことから、9月中旬以降YouTuberなどの動画配信者などが多く訪れるようになり、この問題が広く拡散されている。
動画配信者の一人は「公道から違法建築である礼拝所を撮影したらパキスタン人に囲まれて『イスラム教徒じゃないお前は帰れ』と動画の削除を強要された。クルマで追いかけられた配信者もいた」と語る。
X(旧ツイッター)やTikTok上でも、「北海道江別市パキスタン村」という字幕とともに、動画撮影者がパキスタン人男性から石を投げられているように見える動画が広く拡散された。
こうした状況からSNS上には「北海道江別市が第二の埼玉県川口市になるのではないか」という不安の声も見られる。その一方で、「敵対心をもって現地に行けば、パキスタン人側が警戒するのは当然で、ネット上の動画には誇張も含まれている。排外主義を助長する誤情報ではないか」との声もある。
前述のパキスタン人男性から石を投げられているとされる動画は、その後、X上で「石を投げられる前に動画撮影者が敷地内に爆竹を投げ込んだ」という情報も拡散され、それを裏付ける監視カメラの動画も投稿された。
現地で一体なにが起こっているのか。
パキスタン人による違法建築が問題となっている北海道江別市を取材した。
■ 「違法であることを確認した」
まず、この問題が知られるようになった経緯を振り返ってみたい。
江別市側がこの問題への対応を明らかにしたのは、9月11日のことだった。当日の市議会で、この件に関する一般質問を行った高柳りさ市議会議員が振り返る。
「当時、動画投稿サイトで角山地区の違法建築問題が話題となっていて、私たち議員や市役所にも問い合わせが何件もありました。行政の対応を改めて知る必要があると思い、市の担当者に確認したのです」
高柳市議が「角山地区における礼拝所について市はどのような対応を行ってきたのでしょう?」と質問したところ、市の建設部長は次のように答えている。
〈問題となった礼拝所は2021年9月のパトロールの際に存在を確認した。当初は使用目的が不明であったが、昨年2024年に礼拝所として使用されていることが報道されて以降、5回の現地確認を実施した。
ただ、常に人がいる施設ではなく、責任者との面談を試みたが接触できなかった。このため本年8月に英語併記の文章を建物に投函した。後日関係者への聞き取りにより都市計画法に適合する建物ではない違法建築物であることを確認し、是正指導を行っている〉
さらに、〈日本語による口頭指導が困難な場面もある〉〈江別市内における違法建築の現状についてはプレハブ小屋、作業場、事務所など76件が確認されている〉とも述べた。
なお、都市計画法では、住居専用地域、商業地域、工業地域などそれぞれの地域に建てることが可能な建物の用途や規模が決まっている。
江別市角山地区は、農林漁業や自然環境の保全が優先される市街化調整区域にあたり、原則として開発行為や建築物の新築・増改築が厳しく制限されている。市街化調整区域で建物の建築を行う場合には、都道府県知事の開発許可または建築許可を得なければならない。
そのため、こうした手続きを経ずに建設された礼拝所や中古車ヤードは違法建築物となる。
9月11日以降、X上などで市議会の様子を切り抜いた動画が拡散されはじめたほか、動画配信者などが相次いで現地を訪問するようになり、江別市角山地区の違法建築問題が広く知られるようになっていった。
■ YouTuberが問題提起
ただ、この問題が発覚したきっかけをさらに遡ると、YouTubeチャンネル「キッドマン北海道探索」が2025年7月28日に配信した「江別市外国人違法ヤード!役所や警察署は退去させず!」という動画に行き着く。前述の市議会での一般質問もこのコンテンツが発端となった。
動画では「江別市角山地区の市街化調整区域で、外国人が違法ヤードを建てているにもかかわらず、市役所や警察署は彼らの退去に動き出さない」と訴えており、こうした中で礼拝所の存在についても触れられていた。
チャンネルの管理者が制作の背景を明かす。
「最初はタイヤ業者やスクラップ業者など別の外国人問題を追っていたが、江別市民の話を聞くうちにパキスタン人による違法ヤード問題にたどり着いた。違法建築が野放しになっている現状はおかしい。広く知らせる必要があると判断して動画を配信した」
さらに、この管理者が認識している問題はこれだけではないという。
「札幌市北区や西区の住宅街ではクルマを物色する外国人がたびたび目撃されている。ワイパーに『クルマを売ってくれ』とパキスタン人らしき人物の名刺が挟まれる事例も多発していて住民は不安がっている。
4月には札幌市北区で中東系の外国人グループによるクルマの窃盗事件も発生した。ただ、盗まれた被害者が『もうクルマは返ってこない』と諦めてしまい事件化はしていない」
■ 「彼らは日本語が通じない」
とはいえ、「市街化調整区域での違法建築は日本人も行っており、パキスタン人だけを責めるのは筋違いではないか?」といった指摘もある。
これに対して管理者は、「日本語が通じない彼らは注意を理解できない。そんな状態のまま無許可でモスクを建ててしまうパキスタン人を日本人と同じようにみることができますか?」と疑問を呈した。
では、市の担当者はこの問題をどう捉えているのか。
江別市建設部開発指導課の担当者は「ネット上で拡散されている『角山地区には外国人による違法建築が76件ある』という情報は誤りで、あくまで日本人による違法建築も含めた江別市全体の数字であるということをまずは理解していただきたい」とした上で次のように語った。
「江別市全体の違法建築のうち3割程度が角山地区に存在している。内訳は、クルマを解体するヤードや土木建築資材の置き場など多岐にわたる。市としては今まで通り、対面と文章で自主的な是正を促していく」
つづく記事〈「なぜ、あなたたちは違法建築を行うのか?」北海道江別市のパキスタン村の住人に確認すると…〉では、江別市民が抱える不安、さらにモスクの関係者に問い合わせた際の反応をお届けする。

