新訳東方異邦伝、巫女なき時に
赤い霧、これはまるで、あの時のような‥
「空気が、重い‥」
「大変なのだー!」
紅霧異変で空を覆った霧は、人間には毒なのだ。
「巫女様は?」
「私が霊夢を呼んでくるのだー!」
ルーミアが飛んでいった、少年の頭には疑問符が浮かんでいた。
これは紅霧異変だ、でも、なぜだ?
フランちゃんもレミリア様も、人里の人たちと仲良くなった、また幻想郷を手に入れようというのか?
「みてみて!」
あの時弾幕を見せてくれたフランちゃんが、人間に酷いことをするのか?
巫女様がくれば異変は収まる、逃げないと‥
「ゴホ、ゴホ!」
母は身重だ、お腹に赤ちゃんがいるのだ。
「家、帰らないと‥」
「なんでまた霧が出てるのよ!?」
「わからないのだー!」
霊夢にも何か何やらだが、巫女の役目は変わらない。
「アレ、何?」
フランちゃんだ、でも違う。
「すごく、嫌な感じがする‥」
黒い、フランの形をしたものだ。
「刀は力任せに振らず、体重を乗せて‥」
巫女様が来るまで、誰かが戦わないとならない。
ひどく苦しい、重い。
「巫女様すげえ‥」
この中で戦う?子供が?
「俺は魂魄妖夢の弟子だ、そんな簡単に負けない、負けない!」
阿求様の家が人手を出すかもしれないが、黙って見ているなど、剣士として恥じだ。
「フランちゃんじゃ、ないんだろ?」
友達の形をした何かが、こっちを見る。
「この、フランちゃんの偽物ォ!」
吠えていないと、意識を持っていかれる。
「ッ!」
弾幕!?
「やばいやばい!」
咄嗟に避ける、反射神経だけはあるのだ。
「妖夢お姉ちゃんに頭叩かれるんだもん」
だが、これは‥
「斬れるものがなくても、何も斬らぬは剣士に在らずだ!」
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