二人の妹。

1 2024/10/07 16:00

「ハァー、憂鬱じゃのー。」

コン様が床に寝転がり、溜め息をついておられる。

「どうされたのですか?」

「うるさいが起きてくるのじゃ、もう千年眠っておればよいものを。」

「うるさいの?」

「悪霊じゃ、好き好んで人間に憑き、力を貸しておる。」

「悪量がなぜそのような…」

「知らん、そんなことは些末なことじゃ、問題は…」

「問題は?」

「あやつが妾の稲荷寿司を食いにくる事!」

「なんと!」

「大量に作っておけ、妾の分がなくなる。」

「は!」

コン様の耳がピクピクと動いた。

「来たか!忌々しい。」

社務所を飛び出して行かれた。

「久しいのう、山狗。」

コンは己と良く似た耳のついた少女を睨んだ。

「久しぶりじゃな、化け狐。」

悪量の身で神たる己を嘲笑うような口調、やはり不快だ。

「貴様、輪廻の輪へ送ってやろうか?」

「ほう?マグマの魔王様に向かってずいぶんと…」

「なにが魔王じゃ、ただの寂しがり屋じゃろう。」

「溶かしてやろうか貴様!?」

「やめんか!時期に器が生まれるのじゃろう?」

「ぐぬぬ!」

「うまくやれよ?神職の娘じゃ。」

「ボクを子供扱いするなー!」

「ええい、早ういけ!稲荷寿司やるから。」

~数年後~

「かっこいいな~殲滅部隊。」

妹がテレビに釘付けになっている、無理もない、国防殲滅部隊の隊長が映っているのだ。

「お前好きだよなその人。」

「お兄は好きじゃないの?」

「俺苦手なんだよ、いつもふさふさした服着て、陽キャオーラすげえじゃん。」

「え~。」

お菓子を買ってもらえなかった子供のような声を出す。

「あんなふうになりたいな〜。」

「俺らには無理、あの人たちが特別なの。」

「そんな言い方しなくていいじゃん!」

「泣くなよ、悪かったて、けどなあぶねえだろ?兄ちゃんはお前が心配なんだよ。」

「なーんだ!よかった。」

にっこりと笑っている、忙しい奴だ。」

「大丈夫、ボクはどこにも行かないから。」

抱きついてきた。

「お兄と一緒がいいんもん。」

「ミヤちゃんは変わんねえな。」

「もー、その呼び方やめてってば!」

国防殲滅部隊、人の脳みそを食う知的生命体と戦うために政府が作った組織。

俺たち一般人の生活は彼らが守ってくれている…という事だが実感が湧かない。

あまりに非現実的だ、そう俺たちには関係ない、そのはずだった。

「転校生?」

「うん、殲滅部隊の人だって!」

ミヤがすごく嬉しそうにしている。

「あのなあ、はしゃぐのもわかるけど、その人任務で来たんじゃないか?

そしたら地元にあの…シャドーだっけ?化け物がいることになるんだぞ?」

「大丈夫だよ、黒神隊長の娘さんがきてくれるんだから。」

「あのフサフサした人の娘!?」

,,いやそんなことより大事な事がある,,

「ミヤ、失礼なことするんじゃないぞ、国家公務員の娘さんなんだからな?」

「はーい。」

少し悲しそうな声だが、兄としてビシッと言っておく必要がある、大事なことだ。」

「えー、今日から転校生が…来ます! 入って、ください。」

いつもは声の大きい教師が、今日は言葉を詰まらせている。

入ってきたのは、綺麗な青髪の女の子だった。

「うわっかわいい!」

「スッゲー、美人じゃん。」

「こら、ざわざわするんじゃない、静かに…」

やはり、教師が弱々しい。

「黒神マキです、お願いします。」

女の子は小さな声で挨拶した。

「えー、というわけで転校生の黒神さんだ、昨日連絡したが、黒神隊長の娘さんで、殲滅部隊に所属している、

忙しい事もあるだろうから、みんな邪魔はしないように。」

「はーい。」

ミヤにはマキが悲しそうな目をしているように見えた。

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アニメとゲーム2024/10/07 16:00:48 [通報] [非表示] フォローする
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1: 湊綾 @soa_himazin 2024/10/07 17:51:18 通報 非表示

ミヤがいいポジションなのか?気になる!


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