#5 デド
ルーの後を追って寮棟に向かっていると途中で無線が警告音を発した。
“北北西部約200㌔先にデドの出現を確認。電波発信を抑える為施設のブレーカーを落とします。その他各自、電波を発する恐れのある電化製品の所持品の電源を切るか保護金庫に入れなさい。繰り返します……”
え、さっきのやつじゃ…。
私は急いで無線の電源を切り、周囲の独立電気製品を確認し、電源を落とした。
バジッ
しばらくして施設のブレーカーが落としたらしい。
大きな音と共に施設中が暗闇に包まれた。
なるべく音を出さないように、地上を這いずるデドの動きを感じれるように私は床にベタっとうつ伏せになったままさっきのルーの行動を思い返していた。
軍から送られた資料によればデドが電波を感知する範囲は100㌔圏内と書かれていた。
もしルーが開けたことによって施設内の電波が漏れてそれによってデドが現れたとしたら辻褄が合わない。
新種のデド?
いや、そんなデドが現れるのならきっと前線の軍隊が報告するはずだ。
ならば全く別の案件なのだろうか。
でも偶然すぎる。絶対に因果関係があるはずだ。
5分、10分床にうつ伏せになっているとだんだん地面が地震かのように揺れ始めた。
急に施設内の空気が触れられるのではないかというほどピンっと緊張した。
ズズズズ、、
腹の底から震えてるのではないかと思うほど野太い地響きが一分ほど続いてパタリと収まった。
しっ施設の上で止まった?
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