私にとっての幸せ 小説

4 2021/11/13 20:10

「先輩、付き合って下さい。」

「もう何回言うのよ。」

 先輩はくすくすと笑った。

「何度でも言いますよ。」

「君もなかなかしぶといよねぇ。私に何回フラれてもこうやって告白してくるんだから。」

「こんなに人を好きになったのは初めてなんです。」

「…っ…。あのねぇ。正直迷惑なの。」

 突然先輩の優しかった声が変わった。

「君だって嫌でしょう?好きでもない人にしつこく迫られたら。」

「それは…。」

「もう告白するのやめてくれない?」

 先輩はそれだけ言うと走っていった。

 最悪だ。完全に嫌われた。

 …だけど一瞬、先輩が悲しそうな顔をした気がした。

 また、佐藤君に告白された。

 本当に辞めて欲しい。

 何度も告白されるとうっかり「はい」と言ってしまいそうで。

 佐藤君が好き。大好き。

 だからこそ、彼を突っぱねた。

 貴方には幸せになってほしいの。

 貴方の幸せの中に、私はいない。

 佐藤君ごめんなさい。

 俺が最後に告白した日から五日後、先輩は持病で亡くなった。

──終──

 最後まで見てくださりありがとうございました。

 二つ目作ってみました。

 前作「少しだけ」もよかった見てみてください。

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その他2021/11/13 20:10:45 [通報] [非表示] フォローする
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