私にとっての幸せ 小説
「先輩、付き合って下さい。」
「もう何回言うのよ。」
先輩はくすくすと笑った。
「何度でも言いますよ。」
「君もなかなかしぶといよねぇ。私に何回フラれてもこうやって告白してくるんだから。」
「こんなに人を好きになったのは初めてなんです。」
「…っ…。あのねぇ。正直迷惑なの。」
突然先輩の優しかった声が変わった。
「君だって嫌でしょう?好きでもない人にしつこく迫られたら。」
「それは…。」
「もう告白するのやめてくれない?」
先輩はそれだけ言うと走っていった。
最悪だ。完全に嫌われた。
…だけど一瞬、先輩が悲しそうな顔をした気がした。
また、佐藤君に告白された。
本当に辞めて欲しい。
何度も告白されるとうっかり「はい」と言ってしまいそうで。
佐藤君が好き。大好き。
だからこそ、彼を突っぱねた。
貴方には幸せになってほしいの。
貴方の幸せの中に、私はいない。
佐藤君ごめんなさい。
俺が最後に告白した日から五日後、先輩は持病で亡くなった。
──終──
最後まで見てくださりありがとうございました。
二つ目作ってみました。
前作「少しだけ」もよかった見てみてください。
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