【小説】1人の兵士(8)
俺達は前線を押し進め、敵の国の都市部まで到達した。都市部ともなると敵の攻撃力は格段に上がり、民兵も増えてくる。市民を兵士にして戦力をなんとか上げようとしていた。俺達は後方からの支援が届き、弾も兵士も戦車もなんとか安定していたが、交戦は続いていた。敵の悲鳴と味方の悲鳴が入り混じってゆく。そんな戦場を生き抜いて来た俺達はもう何も感じなかった。味方兵が死んでゆく悲しさはあったがそれよりも敵に勝つという意識が勝ってしまった。次第に敵国の首都に近づいてゆく。それでもなんとか行けると思っていた。
トム「クソ!奴らの攻撃が首都に近づくにつれて強くなってる!」
味方兵「当たり前だろ!油断するな!焦ってると死…
ドサッ
トム「クソッ!また死んだ!ああちくしょう!」
トーマス「落ち着けトム!油断すると死んじまうぞ!」
トム「あああっクソ!」
司令官「クソ…腕に…」
首都に近づくに連れて敵は必死で戦ってゆく。それに連れて前線で戦っていた兵士達も負傷や死亡して行く。
そしてついに俺達は敵が大量にいる巨大な建物にたどり着いた。後退して行った兵士達が集められている最後の砦だった。後方支援でやって来た兵士達がどんどんと蟻の様に進んで行く。それに合わせて俺達も入って行く。そして中はアリの巣の様に分かれている。味方兵達は分散してゆく。そして俺達もその建物内を進んで行く…
いいねを贈ろう
いいね
3
コメントしよう!
トピックも作成してみてください!
トピックを投稿する