【ゲゲゲの歴代鬼太郎小説】夜ガ明ケテ 第1話
『沢城くん、嘘だよね』『君が人間を襲っただなんて』『それに、妖怪たちを人間を襲うように命令した、って』....『沢城くん、君を信じたかった...』『でも、僕は見てしまったんだ』『なんで?沢城くん』『君も...僕らと《同じ》だと思っていたのに...』
松岡『沢城くん...ねえ』
戸田『君がしたことは...』
『《同じ鬼太郎》として考えられないよ......』
沢城「ハア、ハァ......うっ...」
父さん...無事だろうか..。随分歩いてきてしまった.....父さんが無事でいれば...
「哀れだねぇ...」
沢城「...」
声が聞こえたほうを見てみると...自分と全く同じ外見の少年がいた。
「..ボロボロじゃないか、鬼太郎クン」
沢城「おまえ......」
「そんなに怖いカオするなよ」
沢城「...」
「..しかし、ひどいもんだねェ...あの鬼太郎たちも。今までチヤホヤと可愛がってきたお前をさ、人間イジメたって聞いた途端このありさま。......ふふっ、すっかりお前はナカマハズレ。可哀想に。」
沢城「白々しい.....全部お前の差し金なんだろう......弥太郎」
少年の名は『千歳弥太郎』(ちとせ よたろう)
弥太郎は、何にでも変身する術を持っている妖怪だ。いつも変身しているので、本当の姿は誰も見たことがない.........。
弥太郎「...ふーん...白々しいなんて、ひどいこと言うねェ。邪険にするなよな。お前を慰めてやろうと思って来てやったんだからサ...。」
沢城「..」
弥太郎「お前の好みはどの顔だ?.....この顔か?」
そういうと、弥太郎のが戸田鬼太郎に変身した
弥太郎「...それとも、こっちか?」
パッ...
次は松岡鬼太郎に変身した。
沢城「...こ、っの...」
沢城は腕にちゃんちゃんこを巻き付ける。
弥太郎「それとも~......」
沢城「ふざけっ....!」
攻撃をしようと弥太郎にとびかっかった....。
弥太郎「この顔?」
沢城「....!」ビクッ..
弥太郎「沢城クン」ニコッ
沢城の動きが止まった。
沢城「ッ...た か..やま....さ..」
数日前に弥太郎を退治しに行くと言って行方不明になった高山鬼太郎を思い出した。
ガッ!!
弥太郎に頭を掴まれた。
..ドスッ!!!
沢城「...!」
腹に蹴りを入れられ、沢城は悶えた
沢城「が...はっ...!」
弥太郎は沢城を自分の顔の前に引き寄せた。
自分の頭を掴んでいる弥太郎の手を引きはがそうと沢城は手を伸ばそうとするが、痛みに負けて、体が動かない..。
沢城「...ッ...あぁ...」
弥太郎「.......ふーん、オマエ...そんなにこの顔が好きなのかァ.........きーめた...オマエ、オレの玩具にしようっと......」
その時、弥太郎が何かの気配を感じて、一本の木から離れた
弥太郎「......」
沢城「...」
カラ....コロ....
下駄の音が聞こえる....
弥太郎「.....へェ......生きてたんだ......君」
カラン....
高山「あの攻撃で僕が死ぬはずないだろう」
沢城「....」
高山さんがいた。
沢城「高山....さん」
高山「....」
弥太郎「コイツを助けに来たの?」
高山「....ああ、そうだよ」
2話へ続く....