偽スカをIPバンできない理由について

10 2023/11/09 17:28更新

どうも、きさらと申します。最近、サイト内でなりすましや荒らし行為が横行しており、多数の無実なユーザーに甚大な迷惑をかけています。つぶやき欄やコメント欄、通知が荒らされ、以前のように快くサイトを利用できないと感じている人もいるでしょう。そこで皆さんは、迷惑ユーザーをIPアドレスでブロックすることで問題を解決できるのではないだろうかと考えたことはありませんか?IPアドレスでBANしてしまえば同じユーザーからのアクセスが断たれるのではないかと考えた人、おそらくいると思います。特定のIPアドレスからのアクセスを禁止することをIPBANと呼ぶのですが、結論から述べますとIPBANでこの問題に歯止めをかけるのは現実的ではありません。むしろ不可能です。このトピックではその理由についてできるだけ簡単に説明しますので、ぜひお読みください。

IPアドレスとは何か

この問題を考えるにあたって避けて通れないのが、IPアドレスはそもそも何なのかという問題です。皆さんはおそらく「端末や機器の住所」のようなイメージをお持ちかと思います。まさにその通りで、IPアドレスとは「ネット上で端末や機器を識別するために個々の機器に割り振られた番号」です。0から255までの数字を4つ並べた最大12桁の番号で構成されており、「1.1.1.1」から「255.255.255.255」の約43億通りのパターンがあります。機器をネットに接続すると、その43億通りのIPアドレスのうち1つが他と被らないように割り当てられます。ある機器には「123.4.56.7」が割り当てられ、別の機器には「98.76.54.3」が割り当てられる、といった感じです。機器に「123.4.56.7」や「98.76.54.3」と書かれたシールが貼られるようなイメージですね。自分の使っている機器のIPアドレスは、各端末のネットワーク設定から確認できます。ここまでは知ってるという方もいるかと思いますが、迷惑ユーザーをIPBANできない理由を考えるため、次の項目ではもう少し踏み込んだ内容を説明します。

グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレス

IPアドレスはグローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスの2つに分けられます。グローバルIPアドレスはルーターに割り当てられる番号で、プライベートIPアドレスはルーターに接続しているスマホやパソコン、タブレットなど個別の機器に割り当てられる番号です。グローバルIPアドレスがマンションの住所、プライベートIPアドレスが部屋番号といった感じでしょう。具体的には「192.168」から始まりまるものはプライベートIPアドレスに当たります。さきほど「被らないように割り当てられる」と述べましたが、それはグローバルIPアドレスに限った話であって、プライベートIPアドレスはほかの人と被ることがあります。マンションの例で説明すると、マンションAの102号室に住んでいるAさんと、マンションBの102号室に住んでいるBさんがいたとします。2人のマンションは異なりますが、「102」という部屋番号は一緒ですね。これと一緒で、グローバルIPアドレスはほかのルーターと被らないように割り当てられますが、プライベートIPアドレスはほかの機器と被ることがあります。また、同じルーターに接続している機器は端末が違ってもグローバルIPアドレスは同じになります。同じマンションに住んでいる2人は部屋番号が違っても建物は一緒、といった感じです。

ここからが重要なのですが、ある機器を使ってサイトにアクセスしたとき、アクセスログに残るのはグローバルIPアドレスだけで、プライベートIPアドレスは記録としてのこりません。これの何が問題なのか、いまいちピンとこない人が多いと思うので、次の項目で詳しく説明します。

IPBANするとどうなるのか

仮に迷惑ユーザーをIPBANするとどうなるのかを順を追って見ていきましょう。迷惑ユーザーのログを調べると、迷惑行為の発生源となる機器のグローバルIPアドレスが分かります。そしてそのIPアドレスからのアクセスをブロックします。さきほどの項目で、ルーターを共有している端末はグローバルIPアドレスが同じになると説明しましたよね?同じルーターに接続している機器はグローバルIPアドレスが同じになるため、同じルーターを使用している別の人もサイトにアクセスできなくなります。迷惑ユーザーが家族で共有しているwi-fiを使っていたならば、迷惑ユーザーの兄弟姉妹や両親もサイトにアクセスできなくなります。迷惑ユーザーが学校のタブレット等を使って、学校のwi-fiを使っていたならば、その学校の生徒は全員サイトにアクセスできなくなります。可能性は低いのですが、新幹線や機内のwi-fi、空港やホテルのフリーwi-fiを使っていた場合は、乗客や空港・ホテルにいる人たちは全員、サイトにアクセスできなくなります。マンションの例で例えると、迷惑ユーザーがあるマンションに住んでいたからという理由で、そのマンションに住んでいる人たちが全員ブロックされる、というイメージです。

さらにグローバルIPアドレスは時間経過やルーターの再起動によって変わるため、迷惑ユーザーはIPBANから簡単に逃れられてしまうのです。また、IPアドレスは使いまわされているため、迷惑ユーザーがもともと使っていたグローバルIPアドレス(IPBANの対象となっているIPアドレス)は、また別のルーターに割り当てられる可能性があります。そうなってしまえば、そのIPアドレスが割り当てられた人は迷惑ユーザーとは微塵も関係ないのにサイトにアクセスできなくなる、という事態が発生します。迷惑ユーザーは既にIPアドレスが変わっているため、何の処分も受けずに普通にサイトにアクセスすることができます。

このように、IPBANすると関係のない人たちを巻き込む可能性があるのです。過失があるのはたった1人の迷惑ユーザーなのに、その人のせいで無実な人がアクセス禁止の被害を受けるというのは、ユーザーに快くサイトを利用してもらうという指針からすると本末転倒です。

現状と対策

ここまでIPBANの意味のなさについて説明してきましたが、IPBANは短期間であれば無実な人への被害が小さくなり、迷惑ユーザーのみに罰を与えることができます。そのため運営サンは、

・ユーザーの迷惑行為を確認したら一定期間(数日~数十日。詳細は不明。)そのIPアドレスからのアクセスをブロックする

・そのIPアドレスが付与された端末で作成したアカウントは問答無用でBANする

という対応を取っているようです。しかし、依然として迷惑ユーザーが絶えない現状が続いています。

おそらく今迷惑行為に及んでいる、いわゆる「偽スカ」は、ルーターの電源ON/OFFを繰り返すことでIPアドレスを変え、上の対策から逃れようと試みている、同一人物によるものだと思われます。そう判断できる根拠としては以下のようなものが挙げられます。

・偽スカが同時に2人出現しない

・偽スカのアカウントがBANされるまで新しい偽スカが出現しない

・どの偽スカも平日の昼間に浮上している

・荒らしの手法、つぶやきの内容に類似点がある

同一人物による行為であれば、つぶやきの回数や頻度に限界があるので、運営サンもIPBANをせずともアカウントBANで対処できます。ユーザーにできることは、偽スカが現れたら反応せずスルー/ミュートして、運営サンに通報することですね。

長々と述べましたが、お読みいただきありがとうございました。

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テクノロジー2023/11/09 09:13:53 [通報] [非表示] フォローする
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頭が悪いうちでもわかるような、わかりやすい説明をありがとうございます


荒らしに全力だってことはわかった


流石にその考えは甘すぎ


説明わかりやすい!

ありがとうございます♪


5: ミラ☆彡 @roze6121 2023/11/09 17:09:32 通報 非表示

なんかすごいな‥‥


元ナリス戦犯者だから言える。ハッカーならそれすら無効にされるぞ?


なるほど…

グローバルIPアドレスはすぐに変えられるし、BANしたところで他の人が使えなくなったりする可能性があったりとデメリットが大きいからIPBANをしてもあまり意味がないということかな?


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