トピ画関係✗ ふと思いついただけの小説もどき

1 2024/05/31 21:26

放課後の屋上で、雲一つない茜色の空を見上げる。

ふと隣に気配を感じて目線をやると、死んだはずの親友が立っていた。

「なんで…」

自分の口から発された言葉は、どうにかなってしまいそうなほど弱々しく、震えている。

『迎えに来たよ』

親友は微笑んだ。今にも泣き出してしまいそうで、思わず抱きしめたくなる。

だが触れることは出来ないようで、自分の手は空を切る。

にわかには信じがたいこの状況を、受け入れてしまっている自分がいる。

無言のままフェンスの外側に立つ。夏の終わりに吹く風は少し冷たくて心地よい。

そんな中左手に温もりを感じる。でも今親友の方を見ることは許されない気がした。

見てしまったら、もう二度と会えないような―

『行こう』

親友の言葉に、静かに頷く。もう戻ることは出来ない。

コンクリの地面からゆっくりと離された両足は、数秒も経たないうちに真っ赤に染まった。

視界までも赤一色になり、全てが終わろうとした瞬間、走馬灯を見た。

親友は、最初で最後に恋をした相手だった。

勿論その恋は実るはずもなく、告白さえもすることはなかった。

親友としてでも一緒にいられるならそれで良かった。

数日前、親友が死んだ。

自殺だった。

何も気づいていなかった。自分が一番傍にいると思っていたのに、助けるどころか気づくことさえも出来なかった。

親友の遺書に『一番大切な親友へ』と、自分宛てのメッセージが書いてあった。今までありがとう、また会おうね。そんなどうでもいいような内容ですら、自分を責めているように感じて仕方がない。でもそれ以上に悲しみが自分を襲った。

虚無感に包まれ、ふと文章を読み返す。『また会おうね』

何を思ったか、気づくと親友が自殺した、学校の屋上へ向かっていた。

楽しかった日々、思い出にはいつも親友がいた。

最期まで一緒にいることが出来たなら、それで十分だ。

脳裏に蘇ってくる大好きな親友の笑顔は、いつまでも離れないでいる。

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その他2024/05/31 21:26:18 [通報] [非表示] フォローする
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関係ないけど深夜の通話できるかも。知らんけど


2: 2コメさん 2024/05/31 22:15:34 通報 非表示

泣ける(泣)こんな話思いつくなんてすご!主人公の気持ちがすごい表せられててよかった!!


>>2
ありがとうございます!


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