【小説総選挙】Another Dimension
西暦XXXX年
ここは時空転移空間のどこか……歴史改変を目論む時空犯罪者のタイムマシンと歴史改変を阻止するための組織、時空警察、タイム・ポリスの時空巡視船が砲撃の応酬を繰り返していた。
時空巡視船の船長、吾妻は時空警察官に状況を報告させる。
「奴らの目的は?」
「向かってる時空座標は石器時代、紀元前10万年のアフリカ中央だと思われます。恐らく、歴史改変による人類抹消が目的です。」
時空犯罪者のタイムマシンは75mmエネルギー機関砲30基、2連装32cmエネルギー砲2基で弾を放ってくる。着弾した衝撃で船内が揺れる。
「追え!絶対に逃すな!撃沈しても構わん!重力砲発射用意!」
「重力砲ですか……?!」
「そうだ!さっさと用意しろ!」
時空警察官はいやそうな態度にしながらコンソールを操作する。
「……重力砲発射用意!」
「放てぇー!」
ドオオオオオオン!
重力砲が放たれた瞬間、時空犯罪者のタイムマシンは消失したが同時に時空転移空間に穴が開き、時空警察のタイムマシンは転移空間中で分解し、各隊員は様々な時代に放り出されてしまった。
◆◆◆
「ここはどの時代だ……?」
時空警察官は手首についている時空警察官型腕時計式測定機を起動し、自らがいる時代を確認する。
「西暦2031年か……ってなんだあれ?!」
彼が指を指したその空の先には超巨大彗星が流れていた。全長100kmを超える“それ”は今にも地球に落下しそうである。彼はすかさず、“2031年 巨大彗星”でグー○ル検索すると驚きの検索結果が画面に現れた。
「あの彗星……本来なら落ちてこないはずだと……!」
そう、本来ならばこの年にあの巨大彗星は落ちてこないのだ。グー○ル先生には少なくともそう結果が出た。
「まさか…何者かによる歴史改変か?しかし…」
20〜21世紀は時空犯罪者はあまり狙わないのだ。それは何故か?時空警察が過去に行く時、ほぼ必ずこの時代の時空転移空間を通るから不審な動きはしにくいのだ。
「もしかして並行世界か?あの時の衝撃でか?」
うーん。と彼が考えているとパーカーを着た、読者諸君から見れば近未来的格好をしている青年がどこからともなく現れた。そう、文字通り、『どこからともなく』だ。
「貴様!何者だ!時空犯罪者か!」
「私は単なる浮浪者……はじめまして……時空警察の方……」
その青年は自信なさげな表情で時空警察官の質問に答える。
「目的はなんだ!人類滅亡か!」
「私はある物を手に入れるのが目的です……決して人類滅亡などが目的ではありません……」
青年は変わらない態度で質問に答える。
「ではなんなんだ!あの彗星は!」
「この世界の人類は滅亡する運命なのです……あなた方、時空警察と時空犯罪者のせいで別時間軸の世界が生まれてしまったようです……」
この青年は何か知ってるのかもしれないと思った時空警察官は態度を改めて青年に質問する。
「並行世界が?何故だ?」
「私には分かりませんが……そろそろ彗星が落ちてきそうです……」
青年に言われた通り、時空警察官が空を見上げると空は彗星が大気圏と摩擦を起こして様々な色に光り、もうまもなく彗星は地球に落下しそうであった。
「あなたを元の時空へと転移させます……しかし、そのためにはあなたにお願いがあります……彗星が落下する直前に時間を止めてほしいのです……」
「……分かった。」
正直、こんな怪しい奴を逃す事をしたくはないが元の時空に帰るためならしょうがない。彼はそう思ってしぶしぶ承諾した。
彗星が地球に落下し、人類が滅亡する刹那、時空警察官は時間を止めた。
「上出縺ァで吮……」
時間を止めた事で世界の景色と音に多少のノイズが掛かっているが、青年が時空警察官を褒めると手の中にノイズのない綺麗な宝石が現れた。そして彼が手を宙にかざすと2つの時空転移空間が現れた。
「右があ譚縺ので吮……ではまたどヲ窶ヲで……」
そう言うと青年は消えていなくなり、時空警察官は右の時空転移空間に入って元の時空に戻ったのだった。
END……?
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