ばいばい ~ 一夏の友達。~
「はぁ、最悪。」
私(凛)は夏休み、海に来ていた。いつもだったら喜ぶだろう。だが、今日は違う。
階段から落ちてしまい、足の骨を折ってしまったのだ。
泳げないことを悔やみ、私は一人寂しくパラソルの中にいた。
「お姉ちゃん一人でどうしたの?泳がないの?」
気付くと目の前に帽子を被っている小さな女の子がいた。
「怪我をしてて泳げないの。」と打ち明けると女の子は、
「じゃあ結と遊ぼ!」どうやらこの女の子は結というらしい。
私は結と貝殻を拾ったり、砂で城を作ったりして遊んだ。
気が付くと夕方になってしまっていた。
結は「また明日、この時間に遊ぼうね!」といい、去っていった。
その日の夕飯、お母さんは「退屈していなかった?」と聞いてきた。
「海で出会った女の子と遊んでたから退屈じゃなかったよ。というと、
「凛のこと見ていたけれど、一人でいなかった?」とお母さん。
「え_。」確実に可笑しい。私は結と遊んでいたのだ。感覚だってあった。
私は頭がパニックになって部屋へ行った。
「結は小さいから見えていなかったのかな、、?」そう思うと力が抜けて眠りについていた。
そして次の日。約束の時間になったのでお母さんと祖母に許可を取り、海へ出かけた。
3時間ほど待ったが、結は来なかった。
夕方になっても来なかったので、忘れているのかなと思い、海を後にした。
「その女の子は来ていたの?」とお母さん。
来なかったことや、昨日あったことを話すと、祖母の顏が曇った。
「おばあちゃん、どうしたの?」と聞いた。
おばあちゃんは遠い目をして、話し始めてくれた。
「おばあちゃんが凛くらいのころ、結ちゃんという友達がいたんだ。とても気が合ってね。毎日遊んでいたよ。
その日も二人で海に遊びに行っていた。すると波が来てしまってね、、結ちゃんは身長が低めだったから、一瞬で
波に飲まれて水死してしまった。、、ここからは凛も分かるかな?凜は昔のおばあちゃんによく似ているんだよ。
結ちゃんはまだおばあちゃんを探してさまよっているのかな、、、?」
この話を聞いて私はもう一度明日海に行くと決めた。今回はおばあちゃんも行くそうだ。
当日。結は来ていた。
「結ちゃん、、芽衣だよ?覚えてる?」
おばあちゃんは泣いているのか、声が震えている。
結は顏を明るくして、「芽衣ちゃん、、?芽衣ちゃんなの?」と呟いた。
この雰囲気に私は入っていけず、ひっそりとみていた。
私がいるのを見た結は、おばあちゃんと私に言った。
「芽衣ちゃんに会えたし、凛ちゃんとも遊べた。結はもう未練なんてないや。」
結を見ると体がどんどんと透けていた。
私は思わず叫んでいた。「また来年!来るから遊ぼうね!約束だよ!」
「うん。約束、、」そういうと結は消えていた。
おばあちゃんと私は、結の被っていた帽子を拾い、家へ戻った_。
初心者ですがお許しを
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