【いれいす二次創作】夜ガ来ル。Ⅲ
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悠佑side
俺の胸の中で眠る初兎。
相当、眠れて無かったんやろうな、と思う。
それはそうだ。
毎日メンバーを殺し続けるなんて、さすがに重圧すぎるもんな。
俺があのとき狐伯を止められれば、こんなことにはならなかったのだろうか。
…まぁ、もう遅いか。
明日死ぬ、んやな。
でも俺が死んだらメンバー2人助かるんやもんな。
ならええんかな。
俺は死ぬわけやないんやし。
死んだ、ことになるだけやし。
やっぱ初兎、泣くんかな。
ないこが壊れたって言ってたし、ないこは悲しんでくれずに喜ぶんかな。
…あいつらに会うのも、最後なんかな。
🐇「んッ…」
うめいている初兎を撫でてみる。
ふわっふわ…兎みたいやな。
こいつも死ぬ。
…いや違う。違う違う違う違う違う違う違う違う。
あかん。こんなこと思っちゃあかん。
なんなんや、ほんまッ…
ゲームが終わるにつれ、壊れていく。
俺もメンバーも。
誰か助けてくれよ。
なんて思っても無駄なことはわかっている。
もうええよ。
窓から見える空の月と、キスツス。
その唯一の明かりと光が、黒い闇に包まれて消えていった。
ないこside
ぱ、と目が覚める。
今までは睡眠キャンセル界隈しすぎて朝勝手に起きることなんて無かったしなぁ、なんて思いながら笑顔で朝を迎える。
やけに、機嫌がいい。
あ、そっか、今日で勝てるんだ!!(ニコッ
嫌、嫌。この嬉しさに打ち勝てよ、ないこ。メンバーの事が大事なんだろ。喜ぶな。
あぁもう、うるさいな。
昨日の夜くらいから嬉しいのに。
気持ちが高ぶってるのに。
なんで心のそこから、変な声が聞こえるんだろう。
…ほんっと、うるっさいなぁ。
ま、いいや、なんでも。
ルンルンで会議室に行くと、まだ誰も居なかった。
画面には狐伯が写ってた。
🍣「狐伯!!おはよ!」
狐「!?おはよう。なに、初めてあいさつしてくれたじゃん。」
🍣「うん。なんか今日は気持ちが嬉しいんだぁッ!!」
狐「…良かったね、それは。勝てるしね、よかったね。勝者になったら初兎くんと一緒に盛大にもてなしてあげるよ。」
🍣「あリガとう!楽ㇱみだな、」
狐「…ふふ。」
ないこ、お前は壊れ始めている。正気に戻ってくれ。頼む。
🍣「ッ…」
ほんっと、うるさい。
黙ってくれ。
ガチャ
悠佑side
ガチャ
🍣「あ、あにき!しょーちゃん!おはよ!!(ニコッ」
ないこが…狂ってる。
ようやく初兎の言っていたことに実感が湧いた。
狐「はいはーい!今日の吊りは決まってるね?」
ないこが少年のような純朴な笑顔で頷く。
🍣「うんっ!!」
しゃあない。しゃあない。俺ができる、最期のことだ。
最後にこいつらの表情、記憶に刻んどこうかな。
ないこは不自然な満面の笑み。
初兎は笑顔を装った、目の奥にどこか寂しさのある顔。
覚悟を決めた。
🦁「…じゃあな。」
自分で脳天を撃ち抜く。
死なないのは分かっていても、やっぱり怖かった。
少し痛みが走り、そこで俺の意識は途切れた。
狐「あ、おきたぁー??」
🦁「…ほんっま、何やねん…こんなゲーム開いて、楽しかったかよ…」
狐「うん!めちゃめちゃ楽しかった!これからWinnerたちのおもてなししてくるから、先に赤髪と青髪と水髪のところ行ってな。」
🦁「…はいはい。」
俺はもう一度、眠りについた。
深い深い、沈むような夢に堕ちて行った。
ないこside
🍣「ねぇ!!しょーちゃん、勝ったよぉっ!!」
🐇「そ、やね…」
🍣「ん?なんでそんなにテンション低いの??」
🐇「ないちゃんは、壊れてる」
何。
あの声と、同じこと言わないでよ。
うるさいな。
🍣「壊れてなんかない」
🐇「ううん、壊れてる。だって現に、寂しがっていない。悲しがっていない」
🍣「それは、勝ったから」
🐇「ないちゃんはそんな非人情じゃない。もっと優しくて、冷静だった」
🍣「壊れてなんかないよ。それこそ、しょーちゃんの方がおかしいんだよ。」
🐇「…」
🍣「ねぇ、ほんとに嬉しくないの?ねぇ、勝ったんだよ?」
🐇「メンバーが死んでるのに、嬉しいわけないやろ。」
そう言って、目の前の臆病な兎は目に涙を溜める。
何なんだよ、ほんと。
🍣「…狐伯」
狐「んー?あ、ご褒美みたいな?いいよ、待ってt」
🍣「違う。こいつ、おかしいよね」
狐「うーん、何とも言わないでおこうかなぁ。」
🍣「ちょっ…」
狐「じゃあ、後でね」
🍣「…部屋戻ろ、しょーちゃん」
🐇「…ん」
初兎side
ガチャ
…もう、我慢せんでええんかな。
この部屋には俺しか居らん。
ないちゃんだけ置いて逝くのは、ちょっと罪悪感があるけど。
今のないちゃんなら、大丈夫やろ。
銃…どこやったっけ、
あ、ゆうくんが持ってったのか。
取りに行ったら…ないちゃんにバレてまうかな。
だったらいいか。
ガチャ
窓を開けて、新しい空気を吸い込む。
この世に、ばいばい。
ドンッ
暗闇と仲間の狂に飲み込まれた小さな兎は、重力に逆らえる訳もなく堕ちて逝った。
ないこside
ピーンポーンパーンポーン♪
狐「あー…ないこ、聞こえるぅ?至急、フロア来てくれるかな?」
なんだろぉ?
🍣「狐伯?どーしたの?」
狐「残念なお知らせ。ご褒美を受けられるのが、君だけになっちゃったんだぁ」
🍣「…ん?」
狐「わかりにくかった?初兎が自○したの。」
🍣「…は?」
狐「残念だったなぁ、このゲームで一番頑張ってくれたのに…」
🍣「…ごめん、一回部屋戻る。」
狐「あ、死なないでねー?」
ほら。お前が壊れずに寄り添っていたら、少しは…
そうだね。
ようやく分かってくれたんだね。
うん。俺が壊れてた。
でも、もう後戻り出来ない。
…だからこそ、こんなに後悔してるんだよ。
ふーん。ま、狐伯でも殺してくれば?
そうだね。
🍣「…狐伯」
狐「ん?なーにー?」
🍣「…みんなを、返せ」
狐「みんなって?」
🍣「メンバー。返して。」
狐「あぁ!それなら死んだから無理だよぉ!さすがの僕でも死者蘇生は出来ないし」
🍣「じゃあ、お前を殺す」
狐「恨まれちゃった?まぁいいやぁ。」
狐「殺される前に、殺すのが鉄則だもんね!」
バンッ
狐「あっれ?外しちゃった。バンッ」
🍣「ナメないで。こっちの、殺意…」
狐「…ふふ、面白くなってきたじゃん!」
🍣「殺す」
狐「んー?その五月蝿い口塞いであげるね!」
上から狐伯が飛びついてきて、馬乗りになって喉を締め付ける。
🍣「ぁッ…」
狐「じゃあね、Winner…いや、loser。」
バンッ
ないこside
🐤「あ、ないくん起きた!!!」
🍣「り…うら…?」
喉が引っ付いて上手く声が出ない。
💎「あ、喉乾いてるよね。はいどーぞ!」
いむから水を手渡され、飲んでから話す。
🍣「お前らっ…生きてる…?」
🦁「生きてるに決まっとるやろ!こうやって喋ってんねんから。」
🤪「…あーでも、言われてみれば誰かに殺された夢見た気がするな。」
🐤「あ、それりうらも…すっごい怒りが湧いてきたのは覚えてる。」
💎「僕もだな。なんか、大好きな人に裏切られて悲しかったんだけど、それが誰かは思い出せなくて…」
🦁「んあー、俺もやわ。俺はなんかな、やられるって分かってたんよな。」
🐇「んええw僕自分で死んだ気がするんやけどw」
💎「僕しょうちゃんに殺されたかもしんないの!?こっわ!?何すんのッ!?」
🐇「流石に殺らんわw!」
🍣「誰が…最初に起きたの?」
🤪「俺が最初で、次がりうらで、その次がほとけで、その次があにきで、その次が初兎で、最後がないこやな。」
やっぱり、死んだ順だ…
夢として言ってることも、似ている。
🐤「りうらたち、練習行く車乗ってたらトラックとぶつかったんだってさ〜。」
🍣「えぇ…」
🐇「あ、てかないちゃんが起きたら、特に怪我も奇跡的にあんま無いらしくてさ、今日退院できるらしいで?」
🍣「あぁ、そうなの…」
🤪「手続きしてきたー」
🎲-🤪「「「「「はっや!?」」」」」
🎲「「「「「「ありがとうございましたー!!」」」」」」
病院を出た所で誰かとすれ違う。
見たことのある白髪。
俺が急いで振り返ると、そいつは徐ろに振り返った。
その少年はゆっくりと、口角を上げた。
ーーー
キスツス→花言葉「逆境に耐える」
なんで耐えられなくなった的なテキなテキーラです。
ーーー
おわりいぃいぃぃ!!!
これうらつくのほうでやってる本編ですhttps://uranai.nosv.org/u.php/novel/s201909693/
こっちのほうがね、空白とか当て字とか出来てこだわってるのでぜひ読んでみてね!!((宣伝やめぇや
https://uranai.nosv.org/personal.php?t=mstamura0422
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この上2つうらつくのアカウントです。
上がおばあちゃんのPCでやってる本垢で、下がこの今やってる学タブのアカウントです!
いろいろ他にもVOISINGさん関連書いてるんでね!!見てみてください!!((宣伝やめぇや
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