小説 『みえない友達』 4話
私はお母さんにあの子のことについて話そうとリビングへ向かおうとした。そしたらあの子が私に近づいてきた。
「何?」
「私のこと言わないでね。絶対だよ。」
「どうして?」
「石を渡された人しか知られたらダメなの。知られたら話したり会ったり出来なくなるから。」
何で私がお母さんに話そうとしていたのがわかったのかよくわからない。
「何で話そうとしてたのがわかったの?」
「瑠奈のお母さんが来る。」
「え?」
そしたら本当にお母さんが来た。
「瑠奈、夜ご飯買って来たから食べててね。」
「お母さんは?」
「久しぶりに友達と飲み会に行くから。昨日言ったでしょう?今日はお父さんも仕事で遅くなるみたいだから、先に寝てて。」
「わかった。」
「ごめんね。じゃあ、行ってくるね。」
「うん。いってらっしゃい。」
そしてお母さんは出かけてしまった。するとあの子が言った。
「ラッキー!これで瑠奈とたくさんしゃべれるね!」
「そんなに私としゃべりたいの?」
「そうだよ♪」
「何で?」
「何でって、ずっと瑠奈のこと見てきたから。ずっと会ってみたかったんだ。会って話したかったんだ。」
「そうなんだ。」
こんなに私に会いたがっている子に初めて出会った気がした。
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