辛島姉妹と僕の謎解き6
あらすじってなんか美味しそうな響き。本編レッツラゴー!
「計算通り。そこから逃げれないよ!」
僕は凹んだ自分を奮い立たせて、ダボダボした袖をまくり上げた。ターゲットは、部屋の隅にある書類が詰まった鋼鉄製の巨大キャビネット。重さは100kgを優に超えるけど、僕の「筋力」なら関係ない。
「そいやっ!」
片手で軽々と持ち上げて犯人の唯一の退路である窓際の壁に向かって、弾丸のような速度で投げ飛ばした。
(ドォォォォォン!)
凄まじい衝撃音とともに、キャビネットが壁にめり込み。白いマントの犯人をガッチリ挟み込んだ。
「なっ!バカな...!?この小柄な体で、この質量を!?」
犯人が驚愕で動きを止めた一瞬を僕は見逃さなかった。
「氷華さん!いまだ!」
「えぇ!分かってるわ!絶対零度の監獄(アイシクル・ジェイル)!」
氷華さんの青い瞳が鋭く光り、キャビネットごと犯人を巨大な氷の塊が包んだ。これでもう、指一本動かせないはず。
「...はふぅ...。危なかった...」
僕はいつものボテボテした雰囲気に戻り、膝から崩れ落ちた。やっぱり争いごとは心臓に悪いなぁ。
「ユーマ君、すごーい!キャビネット投げちゃうなんて、まるでお相撲さんみたいだね!」
「...それ褒めてるの?悠真、怪我はない?よくやったわ」
犯人を捕らえ、僕等はようやく一息ついた。
でも、氷漬けに鳴った犯人の口元が、ニヤリと歪んだのを見逃さなかった。
「くくく...捕まったのは僕か。でも『炎の宝石』の起動条件は、強力な『熱』と『氷』が同時にぶつかること。君たちが僕を攻撃した瞬間に、もう始まってるんだ」
犯人が言い終わると、炎華さんのヘアピンが、かつてないほどに不気味な赤黒い光を放ち始めた。
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