不登校。3
錯覚していた事実に、気づくのは遅くなかった。
学校に行っていた頃、色んな人の意見を聞いて、そんな考えもあるんだって気づいた。youtubeとかで調べて外の世界を自分なりに知ってみようとした。
すぐに限界が来た。
外の世界は、自分が思っていたよりも激しくて、苦しくて、真っ暗だった。
家が安全だ、と思ったけど、それも違う。
家には怖いものがある。母とT兄とR兄。三人とも私のことを、侮辱して、軽蔑して、無視をするんだ。
外の世界にも馴染めなくて、家にも居場所がなくて。
R兄が怖いんだ。包丁を持っている。怒ると手をあげる。うるさい。
手のつけられない化け物。
昔は違ったんだ。
夏の暑い夜でも、三人寄り添って布団を何十に掛けて、一緒に眠った。朝起きると汗びっしょりで、気持ち悪いと笑い合った。一緒にゲームしたり、外へ出かけたり、お使いに行ったり。とてもとても、仲のいい兄妹だった。喧嘩もするし、お互いのことが嫌いだと言っているけど、三人一緒にいるのは居心地が良かった。
学校では、嫌だった。
人に気を使う。
誰かに合わせなくちゃいけない。
私は、塾の講師に言われた。
「君は、HSPだ」
と。HSPがなにか分からなくて、家に帰って調べた。
HSP。生まれつき感受性が非常に強く、周囲の刺激を深く受け取りやすい「気質」のこと。簡単に言えば、繊細ということだ。
HSP診断をやってみて、ほとんど当てはまって。でも病気じゃないし、他の人に言わなくてもいいし、大げさになることでもない。HSPかもしれない、を、HSPな訳がないと心のなかで言い張って、シャッターを下ろした。
そんな時。
YMちゃん。それは、私が、唯一気を使わなくていい人物。呼び捨てし合って、笑い合って、時々冷たくて温かい言葉を吐きあった。
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