〚この花を君に〛

7 2021/07/15 18:25

 

『とわくん。これあげる!』

「…クローバー?」

『かわいいでしょ!』

「うん!ありがとう!ももちゃんだいすき!」

『もものほうがとわくんのことすき!』

「おおきくなったらももちゃんとけっこんする!やくそく!」

『うん、やくそく!』

 

ーーーーーーー

 

「桃望おはよー」

『おはよ』

 

私に挨拶してきたこの人は幼馴染の翔和。

そして私の好きな人。

 

「あ、やべ。数学の教科書忘れた」

『高校生にもなって忘れ物かい』

「やばい、どうしよ……」

 

そんな分かりやすく落ち込みますか……。

 

『……ちゃんと返してくれるなら貸してあげるけど』

「いいの!?やっぱ桃望は良い奴だな!」

 

……好きな人が困ってたら貸してあげるに決まってる。

 

「翔和ー!後輩ちゃんが呼んでるー」

「今行くー!教科書絶対返すから!」

『返さなかったらジュース奢ってもらうから』

「えっ!?」

『ほら、早く行きな。あの子ずっと待ってるよ』

 

昔から翔和の周りには常に人が集まっていた。いわゆる “人気者”ってやつ。

テストの順位は毎回上位。バスケもサッカーも何でもさらっとこなしてしまう。極め付きはあの爽やかスマイル。あの笑顔でみんなイチコロ。

頭脳や容姿、私にはないものを全部持っている。

 

 

「先輩!私、先輩のことが好きです!」

 

お、校舎裏で告白か。青春じゃん……って、一番見たくないものを見てしまった。

告白しているのはさっきの後輩ちゃん。もちろん相手は私の好きな人。

 

「ありがとう……でもごめん……」

 

あんな可愛い子振っちゃうんだ。もったいない。

と思うと同時に、安心している自分がいた。最低だ。

 

「好きな人、いますか……?」

 

……え?翔和の好きな人?

 

「えっと……」

「友里先輩ですか?」

「っ…!?」

 

友里先輩って……容姿端麗なあの人か。

 

「図星、ですか……?」

「……うん」

 

翔和の顔真っ赤。

先輩といる時いつもより楽しそうだった理由はこれか。

翔和のことなら私が一番知ってると思ってたのに。

 

「先輩なら大丈夫です。頑張ってください!」

「うん、ありがとう」

 

……翔和もああいう表情するんだ。

いつもの爽やかスマイルとは違う。幼稚園の頃からずっと一緒にいた私でも見たことのない、とても幸せそうな笑顔。

 

私はこの人の隣にいてはいけない。私なんかじゃ釣り合わない。

今はっきりと痛感させられた。

 

初めてできた好きな人。初めての失恋。

失恋ってこんな感じなんだ。

 

ねぇ翔和。

私が昔あげた花の名前、覚えてるわけないよね。

あの日約束したことも忘れちゃったよね。

私は今でも覚えてるよ。

 

 

クローバーの花言葉。

それは__。

ーーーー

最後まで読んでいただきありがとうございました。

思い付きを文章に仕立て上げただけのものなので、だいぶ長くなってしまいました。

そして何とも言えない駄作。

 

花言葉はとても興味深いものです。

誰かに花を贈るときはその花の意味を調べてからにしましょう。

あなたの大切な人を傷付けてしまうかもしれませんよ。

 

 

では、またどこかで。

いいねを贈ろう
いいね
7
コメントしよう!
画像・吹き出し

タグ:

トピックも作成してみてください!
トピックを投稿する
その他2021/07/15 18:25:24 [通報] [非表示] フォローする
TTツイートしよう!
TTツイートする

拡散用



すご……………

クローバーの花言葉は、確か

「私のものになって」だよね?


画像綺麗...←そこか


画像・吹き出し
タグ:

トピックも作成してみてください!
トピックを投稿する