あんたが悪いんだから。【小説】第一話

気持ちがいい、あくびが出るようなそよ風が、校舎の窓から流れ込んでいる。

「涼しいなぁ。ずっとここにいたいや」

ロングの少女、早乙女夏芽は放課後の教室に残り、窓側の自分の席でゆったりしていた。

気持ちがいいと言っているが、少女の頭の中ではもやもやがすこし残っているのだ。

そう、彼女は中学1年生。もう恋をしていてもおかしくない年齢だ。そこで夏芽は頭の中で妄想をする。

『「夏芽!」夏芽の恋人、晴人が下校中に走って出てくる。「何!?」と頬を赤くして振り向くと晴人がこう言う。

「夏芽!おれは夏芽のことが大好きだ!!誰にも渡すつもりはない!付き合ってくれ!」と。そして夏芽はすぐ付き合いのお誘いをOKする。

「幸せだね、晴…』

ここで妄想が途切れる。

「あーもう!いいところで妄想って言うのは終わるもんだわ!最悪、私も両思いになりたいー!でも晴人はモテモテだし…そもそも無理か。」

諦めかけた様子でバックを持ち、家に帰宅する。自分の部屋に帰り、なんとか両思いに慣れる方法を考える。

(まず晴人に好きな人はいるの⁉そこから考えなきゃ。でもいなかったら私がアピして好きにさせる方法も…!)

色々と考えていると一つの方法が頭に浮かぶ。

(『安美を殺す』　って、、、私なんて最低なこと考えてるの!?安美は私の小３からの大親友。だけど晴人が好き。殺すなんてクズのやることだわ。他には…)

数分考えたが、それ以外方法が頭に浮かんでこない。

(もうこれしか無い…明日計画立てよう。)

翌朝。夏芽は目が覚めるとすぐにベッドから降り、歯を磨きながら考える。そして授業中にまでも考えたのだ。

一週間後、ついに夏芽の恐ろしい殺害計画が完成したのだ。

まず下校中安美と一緒に帰り、誰もいないことを確認し家まで誘拐するのだ。しかもうちは母親が数年前に交通事故でなくなって父親しか夏芽と暮らせない。しかも!!!夜九時まで仕事で帰ってこない。なので夏芽以外家にいない。すぐ誘拐して自分の部屋に連れ込み殺害する。

夏芽は自分でこの計画が完璧だと思い、今日実行することにした。

第二話へ続く…⇢