小説 私には6人の記憶だけがない。【騎士A】 day1
※nmmnです。オリジナルじゃありません
※結構昔のだからykmr.さんが当たり前のようにいる
この2つが大丈夫な方のみ閲覧お願いします!(名前)の所は頭の中で変換してください!
今日から私が忘れてしまった人たちが来る。そう思うとわくわくするような怖いような、そんなむずむずした気持ちが体を走った。
『コンコン』
「どうぞ。」
「おはよう、(名前)。」
あ、ばぁう、おはよう。
「ちっちゃい頃のアルバム持ってきた。これでなにか記憶が戻るかもしれないし。」
うん、ありがとう。
「これは幼稚園の時で、家族みんなで海に行ったんだよ。でも俺が水怖がっちゃってさw結局ずっと砂遊びしてたんだ。」
ふふ、ちょっと意外だな。
アルバムを二人で見ながら、ばぁうがどこでどんな時に撮ったものなのか説明してくれた。
「これは小学校の入学式の時。クラスが違うからって(名前)が泣いて大変だったんだよ。」
そんなに嫌だったんだ。
「これは卒業式。お前、俺が転校するって嘘ついたらまた泣いてたんだぞw」
私、そんな泣いてばっかだったの?!
「www、まあなwでも、中学なってから全然泣いたりとかしてなかったぞ?」
「さすがに中学生で泣いてたらヤバいでしょ…」
ばぁうと話すのは楽しかった。そしてアルバムを見ることで私は本当に記憶がないいんだと、そして忘れてしまったことを申し訳なく思った。それぐらいばぁうはいい人だった。
「はあ、もうこんな時間か…帰らないと。」
「え、もう帰っちゃうの?」
「え、帰ってほしくないの?w」
「うん…でも、大丈夫。今日はばぁうとの事沢山知れて楽しかった。」
「俺も(名前)と話せて楽しかったよ。」
ありがとう。ばぁう。
「それじゃあ…またね。明日はそまが来るから。」
「うん。またね。」
『もうこんな時間だ。またね、(名前)。』
?!今の‥‥‥私の記憶?小さい頃の私と、アルバムで見たばぁうとそっくりな男の子…
(記憶が戻りかけてる…?早く、ばぁうの事を思い出したいな)
『バタン。』
「はあ…大丈夫だと思ってたけど、やっぱキツイな…」
前の(名前)とは違う。そう思おうとしたけどやっぱり仕草や雰囲気、性格はあいつのままだ。
「やっぱり、俺が伝えようとしたから…」
もう遅い。自業自得だ。わかっているのに考えるのをやめられない。視界が滲む。
「ってか、初恋こじらせてるとか俺らしくねぇ…」
この気持ちに偽りはない。けど、あいつのためなら伝えずに押し殺さなきゃいけない。
俺も忘れるから。
「好きだよ、(名前)。」
絶対に伝えてはいけない気持ちに蓋をした。