叶わない恋に奇跡を【3話】

8 2023/02/05 09:16

ートン、トン、トン

階段の板が軽く軋むような音を立てながら、私は階段を登ってゆく。

タダで泊めてもらう代わりに、マーサさんのお手伝いをすることになったけど…大丈夫かな?

マーサさんに教えてもらった私の部屋は302号室。

最上階、三階だ。

そんなことを考えながら、歩いていくと、302号室を見つけた。

鍵穴に鍵を差し込み、回す。

ーガチャリ

と音がして、ドアが開く。

まず目に飛び込んできたのは、大きな窓だ。村全体を見渡すことができる。

ちょうど空は夕焼けでオレンジ色のグラデーションに染まっていた。

「綺麗…」

思わず声が漏れる。あの研究所の小さな窓から見えた小さな空とは大違いだ。

やばっ、そろそろ行かないと!

慌てて荷物を置いて、階段を駆け降りる。

一階からはいい香りが漂ってくる。

「アリアちゃーん!やっと来た!」

やばっ、やっぱり遅かった…

「すいませーん!」

階段を降りる足がいっそうはやくなる。

転がるように階段を駆け下りる。

「はい、じゃあアリアちゃん、これ着て調理場来て!」

問答無用、という感じで手渡されたのは、赤いチェック柄の可愛いエプロン。

「えっと…私は何のお手伝いをするのでしょうか?」

突然渡されたエプロンに困惑しながら私は聞く

「料理だよ。」

料理…かあ…一応訓練ではやったことあるけど、できるかな…?

「うちの宿では、一階が食堂なんだ。宿泊客以外にもいろいろなお客さんが来るから、夕方は特に忙しいよ。」

「そうなんですか?」

私がそう言うと、マーサさんはニヤッといたずらっ子のような笑みを浮かべて、

「目が回るくらい忙しいから、覚悟しててよ〜?」

と言った。

私も笑い返して、

「はい!」

と言う。

「じゃああっちで着替えてきな!」

「はーい!」

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その他2023/02/05 09:16:47 [通報] [非表示] フォローする
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叶わない恋に奇跡を【1話】
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叶わない恋に奇跡を【2話】
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俺この小説の書き方すきだな。


>>2
ありがとうございます‼️

自信0だったので、凄く嬉しいです‼️


>>4
いええー!

www


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