【小説】星の花が降る頃に 後日談第二話

5 2023/12/05 17:39

「…夏実」

 銀木犀の木の下には夏実がいた。

どうして今更仲直りをしようと思ったのか、どうして戸部くんに全て話したのか、どうしてここにいるのか。聞きたいことは山ほどある。

「…この前はごめん」

 蚊が鳴くような声で夏実が言った。今にも夏実は泣き出しそうだった。

「こっちもごめん。」

 でも、そんな夏実の顔は見たくなかった。

また一緒に遊びたい。切り捨てたはずの感情が心の底から湧き出てくる。

「また、前みたいに遊びたいな」

 それは夏実も同じだったようで、声が二つ、重なり合った。

そしてそれから私達は、今まで話せなかった時間を埋めるように沢山話をした。

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タグ: 小説 後日談

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