梵天の姫は愛されキャラ 十四話 姫のおひさま
ある日首領様は、私たちを廃墟まで連れていった
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なんとなく、何が起こるかはわかっていた
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神楽 「じゃあ、はく。みくを"殺せ"」
はく 「はい.....。」
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殺るか殺られるかの本気の勝負
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もし手を抜けばどんな目に合うか
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やるしかないんだ
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運動神経が優れているわけでもないみくは
当然のことながら、あっけなく敗北した。
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はく 「みくぅ....やっぱり私、無理だよ.....。」
みく 「意気地なし。」
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え?
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みく 「そんなんだから、いつまでたっても依存癖直んなくて、ドМでビッチで。」
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落ちこぼれなんだよ。
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はく 「みく....?みくは....私の妹....。大切な....家族.....。」
みく 「何言ってんの?血なんて繋がってないけどw」
はく 「は....?」
みく 「だってよく考えてよ。アンタみたいな優れもの、あのクソ親が簡単に手放すと思う?」
はく 「いや....でもあれは命のためで......。」
みく 「不倫相手の子だったんじゃない?wそのくらいしか理由ないでしょう?ww」
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なにかを失った
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自分の中の何かがプツっと切れて
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そうだ
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私が殺ったんだ。
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気づいたころには死体が二つ
手が血だらけになってて、帰る家もなくて
そんな時だっけ、君が声をかけてくれたのは
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?? 「大丈夫かよ、血だらけだし、そんなに痩せてて。家来るか?」
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思い出したよ
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君の名は
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千冬
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この日は雪が降ってたね
とっても寒くて、凍え死にそうな時に
薄汚い私に、そっと手を差し伸べてくれた。
あの日のおひさまみたいな匂い。
優しい、あったかい匂い。
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君は私のおひさまだった。
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千冬 「お前もペヤング半分コする?」
場時 「はくがいると楽しいしな!!」
千冬 「場時さん!!俺も...楽しい.......?」
場時 「おう、あったりめぇだろ!」
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こんな存在が羨ましかった。
彼は場時圭介。千冬の憧れらしい。
私も、あんな風になりたかった。
あぁやって、何気ないことで笑いあえる
健気でささやかな日常生活がほしかった。
そしてできたら、
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一緒に助け合えて、笑いあえて、
時に泣きあえる、そんな相棒がほしかった。
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私って最低だ。
こんな最低な私を助けてくれた
優しい千冬にまで嫉妬して。
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もう、出ていこう。
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そう決心し、歩き始めた。
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その時、運命の出会いをした。
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けど
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イザナ....最初から嘘だったんだね。
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"はくの依存先を万次郎に移すことで"
"罪悪感を植え付けたんだ"
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全部.....計画通りってワケか。
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千冬 「そんなことはないんじゃないか?」
はく 「そうかなぁ、ちょろい女過ぎたのかなぁ」
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何故千冬にこんな未練タラタラな話をしているのかというと.....。
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はく 「とりあえず散歩でもするか。一週間くらい。」
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はく 「え、ち.....千冬ぅ!?!?」
千冬 「その声....もしかして....!!はく!?!?」
はく 「久しぶり…!!前はごめんね。急にいなくなっちゃって。」
千冬 「心配かけんなよなぁ!とりあえず、家来る?」
はく 「うん.....!!」
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その後、圭介が死んだ話
東卍が解散した話
万次郎がいなくなった話
武道と梵天について探っている話
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たくさんの話を聞いた。
でも
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万次郎の今についてや、梵天については
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はく 「知らないかなぁ.....。ごめんね。」
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言わなかった
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正確に言うと、"言えなかった"
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