【小説】東方幻想色 第Ⅷ章 魂魄妖夢の幻想色
私は、ずっと庭師だ。
幽々子様に仕える庭師。
そんな私を、おじいちゃんは一人前にしてくれた。
これは、妖夢が小さい頃のお話。
【東方幻想色 第Ⅷ章 魂魄妖夢の幻想色】
私は小さな頃から白玉楼に住んでいる。
おじいちゃんに庭の手入れの仕方を教えてもらったり、料理の仕方を教えてもらったり…
厳しい…やだ…と嘆くこともあったけど、それでもその生活には満足していた。
幽々子様はいつも、私を慰めてくれた。
妖夢「やだよ…おじいちゃん……厳しすぎ…」
とつぶやくと、
幽々子「そうだね、嫌なこともたくさんあるだろうけど、あなたはきちんと腕を上げているわ。大丈夫、幽々子は妖夢の味方だから、辛かったら言うのよ?」
妖夢「…うん!分かりました、幽々子様!」
幽々子「はい、どうぞ!」
妖夢「え、おもちじゃないですか!幽々子様…いいんですか?」
幽々子「いいもなにも、つらそうな子には幸せを分けてあげなきゃね。でしょ?」
妖夢「そうですね、ありがとうございます!幽々子様!それではおことばにあまえて…」
幽々子様がいたから、厳しいおじいちゃんの指導だらけの毎日も、幸せに感じていたんだと思う。
ある日、おじいちゃんが言った。
おじいちゃん「お前は一人前だな。」
妖夢「わーい、ありがとう!」
おじいちゃん「そうか…そうか…」
その次の日、おじいちゃんは白玉楼を出ていった。
妖夢「おじいちゃん、おはよう!」
いつものようにおじいちゃんの部屋に行くと、おじいちゃんはもういなかった。
荷物も、何もかも、なくなっていた。
床に置いてある紙だけが、部屋に残っていた。
そこには、
「幽々子様、妖夢を頼みますね。
妖夢、おじいちゃんは旅に出ます。妖夢のこと、見守っているからね。
魂魄妖忌」
妖夢「おじいちゃん…おじいちゃん!おじいちゃん!うぅ…」
それを聞いた幽々子様は、
幽々子「どうしたの?…あら?………そういうことね…」
泣く私を、幽々子様は慰めてくれた。
おじいちゃんのいない生活には、だいぶ慣れてきた。
そして…今。
妖夢「幽々子様!いい加減起きてください!!」
幽々子「えぇ…もう少し…あと、少し…」
妖夢「幽々子様の好きなもの、作ったのになぁ…こんなんじゃ、冷めちゃうなぁ…」
幽々子「…今すぐ起きなきゃ!!」
私の胸にはいつも、おじいちゃんが言ってくれた
「お前は一人前だな」
が心のなかで響き続けてる。
おじいちゃん、私は一人前になりました。
いつか、会いに来てね。
こんな私を一人前に育ててくれて、ありがとう。
白玉楼の庭は、
【私とおじいちゃんと幽々子様の思い出が詰まった色】
に染まっている。
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リクエストのあった、妖夢ちゃんのお話です!
次は美鈴か神奈子の幻想色を書こうと思います!
リクエストも募集中!
>>1
リクエストのお話書いてくれてありがとう!
魂魄妖忌ってオリジナルですか?(原作にいたかのこと)