【小説総選挙/小説部門】雨上がり

はい、初のオリジナル小説投稿です()

趣味でよく書いたりはするんですけど表にはあまり出してなかったので、総選挙という機会をきっかけに晒してみようかなとｗ

長すぎるあまり上位は狙ってませんが、良ければ見てくれると嬉しいです🥹

誤字脱字などどっかに絶対あります爆笑

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カシャッ_！

「うーん…」

シャッター音が、灰色の空からぱらぱらと降り注ぐ雨の音にかき消されそうになる。

「どう、凪沙ちゃん？」

「いまいちですね…」

写真部に所属する私は、中庭でなんとか傘を差しながら有泉(ありいずみ)部長と横に並び、花壇の花を前にしてファインダーを覗いていた。

自分としては晴れた空を撮るのが好きなので、梅雨の時期は少しだけ残念だ。

「ここだとあんまり撮るものもないし、気分転換に正門の方でも行く？」

「いいですね、紫陽花綺麗だし」

部長の案に私も賛成し、2人で立ち上がりながら校庭に立つ彼を見つめる。

「おーい、伊織くん！紫陽花撮りに行こー！」

有泉部長の声で小さく振り向き、カメラを首にかけ直しながら歩く伊織(いおり)先輩。

ストレートな髪とセンター分けの前髪に、ゆったりとした優しい目。今まで恋を抱いたことがない私でも、すごくかっこいいなと思う。

ただ、1つ上の先輩で同じ部活なのにも関わらず、会話を交わしたことはない。

色々と不思議で、どんな人なのかよく分からない。笑ったところですらめったに見ないほどだ。

写真部の部員は、なんとこの3人と幽霊部員の２人だけ。あまり顔を出してくれない顧問によると、そろそろ廃部寸前らしい。

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正門側に向かうと、満開の紫陽花が色ごとにずらっと並んでいた。

「うわあ、全部咲いてるじゃん！」

有泉部長がぴょんぴょん跳ねてはしゃぎながら、早速しゃがんでカメラを構える。

首と肩で支えられた傘がぐらぐらしてて大変そうだけど、本人によると「凪沙ちゃん、これが技術なんだよ」らしいので私も反対方向へ向かって、青色の紫陽花を撮り始めた。

しばらくすると、雨は小降りになっていた。空も少しだけ明るくなってきたような気がする。

私も夢中になって紫陽花を撮っていたものの、なんとなく伊織先輩が何をしているのか気になって後ろを振り向いてみた。

_すると、すぐ後ろにカメラを持った伊織先輩が立っていた。

「ごめん、動かないで」

低くて優しい、穏やかな声が届く。

驚いて一瞬目を見張ったけど、彼が真剣にファインダーを覗いているので、落ち着いてぴたりと動きを止めることにした。

入部してすぐ、部長の自己紹介を真似て「ポートレートは撮ってもらって大丈夫」だと言ったので、ただの撮影の練習だろうと思っていたのもあるけれど。

カメラの紐を首にかけ直してから、まっすぐ紫陽花を見つめる。

カシャッ_！カシャッ_！

雨の音には負けないぐらいのシャッター音が、まっすぐ胸に響いた。

「見て、」

私にカメラの画面を見せたまま、彼が小さく微笑む。

「…！」

_立ち上がってじっくりと写真を見て、息を呑んだ。

「うわあ、虹…」

しゃがんで紫陽花を見つめる私の上に、鮮やかな虹がかかっていたのだ。

伊織先輩が、上を見上げたまま頷く。

_そして、私を見つめた。

「もう一枚いい？…今度は傘持ったまま笑って欲しい」

どきどきしながらも「はい…！」と頷き、言われた通りにポーズを作る。

カシャッ_！カシャッ_！カシャッ_！

「綺麗な笑顔だ、…」

シャッター音が止まらない中で、伊織先輩が嬉しそうに笑う。

小さく胸が高鳴るのを感じた。

私は「ありがとうございます」と伝え、心底からの笑顔を浮かべた。

上を見上げて、日差しが入り込んできた空に手をかざす。

何気ない気持ちで生きていた日でも、こんなにも天気に心が動かされるのか。

_それから私は伊織先輩ともっと仲良くなり、雨自体が大好きになったそう。

_END_

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うわああああ黒歴史

「不思議な人でも意外な一面があったりするかも」「天気に心を動かされることはある」ということを伝えたかったんです()

恋愛系かそうじゃない系かはご想像におまかせします

テスト期間っていうのもあってあんまり書く気にならなかったんですけど、なんとなく天気系のお話が書きたかったので挑戦してみましたｗ

もし良ければ投票よろしくお願いします()