【小説総選挙】『 夢の中の住人 』
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涙が出そうになるんだ。
苦しくて辛くて、死にたくないのに生きたくなくて。
空気を吸うたび、体が鉛みたいに重くなる。
声が、手が、足が震える。どこかに溜まった怒りがそうさせるのか、恐怖がそうさせるのか。僕にはもうよくわからなかった。
涙が出る度、「大丈夫」と言い聞かせた。
くだらない強がりだと分かっていたはずなのに。
隅っこにうずくまって、何も見えないように目を、何も聞こえないように耳を、何も言わないように口を閉じる。
そのうち涙は出なくなった。相変わらず震えは止まらないけれど、もう泣かないでいられるようになった。
僕は強くなった。だって泣いても変わらない。誰も気づいてくれない。
気づいてほしくも無い。話を聞いて、辛かったねとか適当なこと言ってみんな満足して帰っていく。
そんな意味のない時間いらない。また気づいてくれなかったって、もっと辛くなるだけなんだから。
「よくわかんねぇな」
君がそんなことを言った。
「涙流す勇気とか、本気で怒れる強さとか全部無理に強がる弱さに隠して。何がしたいのかわかんねー」
本当は言い返すつもりだった。
お前なんかに何がわかるって言うつもりだった。
偉そうなこと言うな、何も知らないくせにわかったフリして。
そう言うつもりで口を開いた。
「……うるさい」
口から溢れた言葉。
目の前の彼はそれを聞いて目を見開くとくすりと笑った。
「初めてお前からうるさいとか言われたわ」
「…僕も初めて言った」
どうしてうるさいと言われたのに嬉しそうに笑うのか分からない。
色々考えているうちにぐるぐると思考が渦巻いてよくわからなくなってしまった。
「…ぐるぐる…」
「ぐるぐる?」
「ぐるぐるして、よく分かんない」
「…じゃあ先にぐるぐるしてんの止めろよ」
「え?」
「目ぇ回ってたら何も考えらんねぇだろばーか」
なんて言って僕の額を指で弾く君。
「…痛い」
「だろーな。もっと休めお前は」
ぐしゃぐしゃと乱暴に僕の頭を撫でる彼。
「…だから、痛いってば、」
どれだけ強くなっても、僕は君には勝てない。
どれだけ君が僕を励ましてくれても、僕が辛いのは変わらない。
夢から覚めればまた、地獄のような毎日が待っている。
だからもう、僕が夢から覚めることなんてない。
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これは伝わるだろうと思ってだれつたにしなかった!!!
https://tohyotalk.com/question/662855
https://tohyotalk.com/question/661747
https://tohyotalk.com/question/661188
ほかのもせんでんしちゃお_( _U・ω・)_
https://uranai.nosv.org/u.php/novel/usagi0311/?w=1
こっちもせんでんしちゃお_( _U・ω・)_
文才が欲しいうさぎでした。
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