【小説】最初で最後の生活

1 2024/06/11 19:41

(最初で最後のブロローグ~エピローグまで)

プロローグ:色と光の中で

小説アップロード

私はいつも色と光の中で生きていた。絵筆を手に、白いキャンバスに夢を描く。それは私にとって、言葉にできない想いを表現する唯一の方法だった。病気になる前は、公園でスケッチをしたり、海辺で夕日を描いたりしていた。絵は私の生活そのものだった。

第一章:闘病生活の始まり

私の名前は鈴木明梨。20歳の時、突然の病魔が私を襲った。指定難病と診断され、状態も深刻で即入院となった。医師からは「持って3年」という宣告を受け、23歳でこの人生が終わると告げられた。治療法はなく、医師は最善を尽くすと言うばかりだった。

病院の白い壁と、静かな廊下。私は点滴を付けて、窓から差し込む柔らかな光の中で本を読む日々を送っている。今は22歳。残された時間はあと1年。来年の春を見ることができるのだろうか。そんなことを考えると、涙が止まらない。

ある日、病室のドアが開いた。母が心配そうな顔で入ってきた。「明梨、体調はどう?」と尋ねる母に、「体調はいいよ!ゴホゴホッ!」と咳をしながら答えた。母は背中を優しくたたいてくれた。私は「ありがとう」と言った。

第二章:希望の光

病室の窓から差し込む朝日が、今日も私の顔を優しく照らす。窓の外には桜の花が満開で、春の訪れを告げている。私はベッドに座り、深呼吸をする。空気が新鮮で、生きている実感が湧いてくる。

「明梨、今日は特別な日だよ」と母が言った。私は首を傾げる。何が特別なのだろう?母はニコニコしながら、小さな箱を私に手渡した。それは、病院の友人たちからの手紙が詰まった箱だった。一通一通には、励ましの言葉や笑顔になれるエピソードが書かれている。涙があふれた。私は一人じゃないんだ。

その日の午後、医師が新しい治療法の話を持ってきた。まだ実験段階だが、希望が見えるという。私は迷わずその治療を受けることにした。不安はあるけれど、希望を捨てるわけにはいかない。治療日まであと2か月だ。私の余命だ。

夜、星空を見上げながら、私は心の中で願う。もう一度、桜の下を歩きたい。そして、来年の春も、その次の春も。私の物語はまだ終わらない。

第三章:容体が急変

病院の静けさが、一瞬にして緊張感に包まれた。母がナースコールを押すと、看護師がすぐに駆けつけてきた。「大丈夫ですか、明梨さん?」看護師は落ち着いた声で尋ねる。私は必死に呼吸を整えようとしたが、空気が肺に入らないような感覚に襲われた。

医師たちが緊急に駆けつけ、私はすぐに治療室に運ばれた。機械の音が再び私の耳をつんざく。母は手を握りしめ、私の名前を呼び続けた。私は母の声に力を得て、闘い続けた。

時間が経つにつれ、私の呼吸は少しずつ落ち着いてきた。医師からは「危機を脱しました」との言葉が聞こえた。母は涙を流しながら、私の額にキスをした。「ありがとう、生きていてくれて」と。

その夜、私は星空を見上げた。星々が瞬いている。私は自分の中にある生命の光を感じた。私はまだここにいる。そして、私はまだ闘っている。桜の下を歩くその日まで、私は諦めない。

第四章:桜を迎える

母は窓の外を見ながら言った。「今年は早めに咲いてくれたわね」。私は弱々しい声で答える。「桜…綺麗だな…」「見れて…よかった…」。病室には桜の花びらが舞い込んできて、私のベッドの上に静かに降り積もる。それはまるで、春が私に別れを告げるかのようだった。

私は母の手を握りながら、外の景色を眺めた。桜の木の下では、人々が花見を楽しんでいる。子供たちの笑い声、家族の会話、そして恋人たちの囁き。生命が溢れる光景に、私の心は温かくなる。

「明梨、あなたのおかげで私たちはたくさんのことを学んだわ」と母は言った。私は微笑みながら、「私も、母さんからたくさんの愛を学んだよ」と答えた。そして、桜を見ながら、私は静かに息を引き取った。私の物語はここで終わる。しかし、私の描いた絵は、これからも多くの人々の心に色と光を届け続けるだろう。

エピローグ:キャンバスの向こう側

病院の庭には、私が最後に描いた桜の絵が飾られている。風に揺れる花びらが、まるで絵から飛び出してきたかのように、周りの空間を彩っている。私はもうこの世にはいないけれど、私の魂は絵の中で生き続けている。

(この作品は自分で作った小説を改善してるversionです、この話はフィクションです。現実の人物とは一切関係はありません)

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