余命3ヶ月の君『前編 瀀視点』
いつも明るい君が余命3ヶ月だと知ったのは本当に突然の事だった。
「ねぇ、瀀。もしも私が3ヶ月後に死んじゃったらどうする?」
「めっちゃ泣く。」
「あはは!けどうれしいな。そう言ってくれるって。その言葉、忘れないよ?」
「忘れなくていいよいつでもそういう答えに辿り着くから。」
「...じゃあ言うけどね、私、宮花愛梨彩は余命3ヶ月と昨日宣告されました。」
「...え?何言ってるの?」
「ごめんね、瀀。こんな形で知らせる事になっちゃって。けど、どうしても瀀が私が死んじゃったらどうするか知りたかったの。じゃないと未練だらけで成仏出来なくなっちゃうよ〜」
「何、それ」
「え?」
「愛梨彩、そんな余命宣告されるぐらいの重病もってたの?なんで...なんでそんな重要な事言ってくれなかったの?」
「だって、私と瀀に残された時間は残りわずかってわかってたからさ、楽しく過ごしたいじゃん。残された時間までしんみりすごすなんで...絶対に嫌なの。」
「愛梨彩...」
「私だって出来るなら...叶う事なら生きたいよ。ずっと瀀と一緒にいたいよ。けど...叶わないんだもん。それはしょうがないじゃん...」
「愛梨彩、俺決めた。」
「え?」
「愛梨彩に残された3ヶ月を、余命の事を忘れるぐらい楽しく過ごさせる!」
「瀀...ありがとう。けど、私は大丈夫だよ。私的には瀀に私といれる残りの時間を楽しく過ごして欲しいな。それが私にとっての幸せ。」
「わかった。愛梨彩がそういうならそうする。」
「ありがとう!じゃあ、今日は用事あるからばいばい!」
「ばいばい!」
「はぁ...」
余命3ヶ月?愛梨彩が?本当に信じられない。
今でも夢を見てるんじゃないかって思ってる。
いや、夢であってほしい。
そうだ。これは夢だ悪い悪夢。
だってあんなに元気だった愛梨彩に限ってそんな事はないはず。
「つっ、あれ?」
気づいたら涙が頬をつたっていた。
止めようとしても止まらない。
「つっ、うっ、うぁぁっ...」
夕日がさす教室には俺の嗚咽だけが虚しく響いていた。
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