余命3ヶ月の君『前編 瀀視点』

3 2024/08/19 19:56

いつも明るい君が余命3ヶ月だと知ったのは本当に突然の事だった。

「ねぇ、瀀。もしも私が3ヶ月後に死んじゃったらどうする?」

「めっちゃ泣く。」

「あはは!けどうれしいな。そう言ってくれるって。その言葉、忘れないよ?」

「忘れなくていいよいつでもそういう答えに辿り着くから。」

「...じゃあ言うけどね、私、宮花愛梨彩は余命3ヶ月と昨日宣告されました。」

「...え?何言ってるの?」

「ごめんね、瀀。こんな形で知らせる事になっちゃって。けど、どうしても瀀が私が死んじゃったらどうするか知りたかったの。じゃないと未練だらけで成仏出来なくなっちゃうよ〜」

「何、それ」

「え?」

「愛梨彩、そんな余命宣告されるぐらいの重病もってたの?なんで...なんでそんな重要な事言ってくれなかったの?」

「だって、私と瀀に残された時間は残りわずかってわかってたからさ、楽しく過ごしたいじゃん。残された時間までしんみりすごすなんで...絶対に嫌なの。」

「愛梨彩...」

「私だって出来るなら...叶う事なら生きたいよ。ずっと瀀と一緒にいたいよ。けど...叶わないんだもん。それはしょうがないじゃん...」

「愛梨彩、俺決めた。」

「え?」

「愛梨彩に残された3ヶ月を、余命の事を忘れるぐらい楽しく過ごさせる!」

「瀀...ありがとう。けど、私は大丈夫だよ。私的には瀀に私といれる残りの時間を楽しく過ごして欲しいな。それが私にとっての幸せ。」

「わかった。愛梨彩がそういうならそうする。」

「ありがとう!じゃあ、今日は用事あるからばいばい!」

「ばいばい!」

「はぁ...」

余命3ヶ月?愛梨彩が?本当に信じられない。

今でも夢を見てるんじゃないかって思ってる。

いや、夢であってほしい。

そうだ。これは夢だ悪い悪夢。

だってあんなに元気だった愛梨彩に限ってそんな事はないはず。

「つっ、あれ?」

気づいたら涙が頬をつたっていた。

止めようとしても止まらない。

「つっ、うっ、うぁぁっ...」

夕日がさす教室には俺の嗚咽だけが虚しく響いていた。

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タグ: 余命3ヶ月 前編

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