特別編、堕天
神に仕える天使、彼らは天界の管理者だ。
「最近の下界は秩序がない、見てみろ」
ルシファーの堕天から幾千年、バベルの塔が神の怒りに触れ、裁きを与え。
「放っておいてもじきに滅びる定めなのだ、神の御手をわずらわせることもなかろう」
下界を眺め、暇を潰す。
「あいつの堕天から経った時間を数えて、空席である上級天使の椅子を眺めて」
ルシファーの席は空席で、ここ数千年誰も座ることがなかった。
「神は今でも愛しておられるのだ、堕天使のことを」
人間は老いる、定命の生き物。
「もとより我らとは違う、みろ我が姿を」
「サキエル殿、また己の容姿に浸っておられるのですか?」
「我が姿は我らが神のお造りになったものだ、なんと美しいことか」
「百年以上鏡の前でポーズを取っておられそうですな」
彼はポーズをとり始めた。
「我が洗練されし姿を見よ、これこそが祝福」
退屈だ、ここ三百年、下界を眺めてばかりいる。
「ミカエルよ、みろこの生き物を」
「なんですか?」
「グリフォンだ、神がお戯れに創造なされたなんとも美しき生き物だよ」
獅子と鷹を掛け合わせた生き物だ。
「神はこれを如何なされると?」
「乗りたければ乗れ、お前の賜ったフェンリルを私に貸してはくれないか?」
「あの、俺下界に行ってきます」
「よかろう、お前は‥なんだったか?」
「下級天使でございます故‥」
「物好きだな、わざわざ下界へ行こうなど‥」
「お前の私の肉体への感想を述べよ」
「お美しきお姿であろうと思います?」
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