ヒーローと巫女さん 第一話〜第三話(改訂、再掲):博麗の巫女

13 2026/09/30 22:36

博麗の巫女は、常に平等で無ければならない。それに、霊夢は嘘が嫌いだ。

鳥達が一斉に鳴き始めた頃、太陽の全貌が見え始めたくらいの朝。

霊夢は神社にある階段に腰掛けながら、暖かい緑茶を飲む。少し肌寒い幻想郷の冷気─特に彼女のような服ではさらに寒い─でさらに美味しく感じる。

ついでに菓子も、と煎餅を取りに行こうとしたところで、八雲紫が来た。もちろん霊夢はそいつを待っていたのだ。

「まずは、おはよう、さて頼み事だけど─」

そう紫が言った時、"日の出までに来る"という約束を破ったのに、こいつ謝りもしないのかという舌打ちを霊夢にされたが紫は気にしない

「あなたに外の世界へ進出してしまった異変の調査を頼みたいのよ」

「ここ最近は全く異変の足音すら聞こえないほど平穏だけど?」

「最近の異変じゃなくて昔の異変よ、100年以上前の、解決されたってのに、その残滓みたいなのが、外の世界に漏れ出して、そこから指数関数いや階乗のような増え方で、浸透してしまったの」

そんなヘマしたかしら、と記憶を遡りながら続きを聞いた。もちろん100年も前なのでそんな覚えはない。

「そのせいで、外の世界では私達のような能力、それを個性と呼ぶようになったの、」

「そんなのをどうしろと? 黒幕もいないんじゃ解決しそうにないじゃない」

「解決じゃないわ、調査よ、人間の戦力の」

確かに、秘匿された地である幻想郷や、月が危険になって抗争になるそんな結末があるかも知れない。重要度を感じた霊夢は

「わかった。で?いつから?」

そんな問いを発したのだが

「それはもちろん」

自身の落下という答えが返ってきた。

「今からでしょ。」

霊夢は、外の世界に飛ばされた。

博麗霊夢は今重力に身を任せている状態にある。おそらく、霊夢といえど生身で落ちたらお亡くなりになる高度だが、当然のように霊夢は浮けるので、気にする必要は無い。それどころか、自身の真下にある街の朝の景色を味わってすらいる。

「ここが外の世界か」

そう呟いた。何回か行ったことあるが、これほどの都心部には行った事がない。しかし、所々、可笑しな点がある。駅と思われる建造物の一部が壊れ、その周りの建物も損傷している。しかし、すぐに気になることが変わった。何かが超高速で霊夢に接近してくるのだ。

「大丈夫か少女!!」

その接近してきた物は人間のようだった。もちろん咄嗟のことだったので、霊夢は少しも躊躇わず、少し浮遊した。

「って、浮けるのかい少女ぉぉ!!」

そう言いながら私の下をすぐ通過して、そのまま落下死と思いきや、どこかの屋上に着地した。─結構ギリギリだった─だが、あの高所から落下してかすり傷一つ付いていなかったので、霊夢はその人間の後を追った。

「こんにちは」

初対面の人には取り敢えず礼をしながら挨拶だ。多分、それ自体は間違ってはいない。

「こんにちわ、って、どうしてあんな所から落下していたんだ!!君が浮遊できる個性を持っていたから良かったが、そうでなかったら君は死んでいたんだぞ!!」

説教されているが、今の言葉から、異変の力が漏れ出した後でも、全員が全員、幻想郷のように飛行できるわけでないと霊夢は悟った。一旦説教に返事しておくとした。

「ごめんなさいね、おじさん、私、気付いたらあんな上空にいたの。だから、これは不可抗力で〜」

なるべく申し訳なさそうに言う。そしたらすぐに

「すまなかった!!間違えて怒ってしまって」

謝罪した。そしておじさんと言われて少し傷ついている気もした。

「新手のヴィランか?」

ビラン?とは霊夢にとって聞き馴染みがなかったので、何かわからなかったが、おそらく人を上空に飛ばすようなことを平気でする、紫みたいな存在であろうことはわかった。

「そのビラン?っていうのはわからないけど、さっき落ちてる途中にもがき苦しんでる少年が居たわよ?」

「何!!それはどこで!!」

「なんかトンネルみたいなとこ、駅の近くかしら」

「ありがとう!!それでは!!」

その人間はギリギリ屋上の地面に亀裂が入らない程度に絶妙に調節した脚力で跳んで行った。疑問を持ちながらも、建物から飛び降りようとしていた霊夢だったが、違和感に気づいた。

「血痕・・・・・・?」

あの人間が立っていた所に血痕があったのだ。見た限り、負傷はしていなかった。なのになぜ。─そして、私の巫女服にもツッコミを入れなかった─

あの人間、あのおじさんに霊夢はかなり興味を持った。

丁度その時だった、あの特有の音がして、私はスキマの世界へと落下した。やっぱりそこには紫が・・・・・・と思ったが、そこには机と手紙だけだった。取り敢えず読んでみることにした。

「ごめんなさい、訳も分からず放り出して、今は少し忙しいから、手紙になってしまって、そして先に外の世界について説明をしておくべきだったわね」

読みながら当たり前だと言わんばかりに顔を少し顰める。ついでに、なんらかの妖術で"伝えたいことが書かれた手紙"を具現化させたと推測しておく。

「目的は話したから、あとはここが何処かと、どの様に調査をするかね」

一般的な常識は教えてくれないのかと思う、それがなければ、調査に困る。

「あっ、あと知識ね、あなたならそう考えそう」

こんな見ず知らずのとこに放り出されて生きれるのは、きっとハトとかだ。

「何処は静岡県・・・・・・って言っても分からなさそうだから、私たちの住んでる長野県から、南の所、そして、目的である調査をどの様に進めるのかだけれど、調査の連絡は宇佐美へ通達か、長野県に行けば、分かると思う。今から何処へ行けば良いかもそれに従ってね」

そこまで読むと、少し手紙が妖力を持ち始め、磁石の様に何処かへ引きつけられた。

「そして、次にそっちの知識まぁ、常識ね、人間の能力発現により、能力を持つ者が世界の人口の八割程度にまで上昇したわその能力を持つ者達が、その能力を〔個性〕と名付けた。そして、その個性を悪用するのをヴィラン(読みはびらん)そして、それを阻止、退治するのがヒーローというのが、少し幻想郷と似ている常識で、全く違うのは───

その後は長ったらしく、小説を読んでいる気がした。外の世界の常識について、ありありと思い浮かべるほどの密度と分かりやすさで構成されていた。でも、とにかく長かった。

「はぁっ、長かった〜」

手紙を持ちながら手を組みながら頭の後ろへ伸ばしてパキパキと関節を鳴らして体をほぐす。一息つきながら立ち上がり、机に雑に置いた手紙を再度取る。外の世界へ出る為に、自力でスキマを開けようとしている時に、後ろからいきなり声をかけられた。

「霊夢、ちょっと待って」

そこにいたのは八雲紫だった。寝癖か少し髪が解れていた。椅子などを用意せずに、長い手紙を読ませた紫に対しての怒りもあったが、今はそれを我慢した。そして、紫がスキマを開いて、向こう側から何やら服を持ってきた。

「ごめんなさいね、月とのいざこざのせいで、遅くなってしまって、それで外の世界用の服、とりあえず貰っておきなさい。急いで服を着て、外に出て、後は手紙に込められた引きつけられる妖力に従いなさい」

紫が服を手渡す。そして紫は母親の様な顔をして笑いながら。

「頑張ってね、霊夢」

「言われずとも」

会話が終わると紫はまだ、忙しい様で、直ぐにスキマを開け、向こう側へと移動した。そして、霊夢は紫から貰った服を確認した。服の見た目は紅白巫女服をそのまま外の世界でも着れる様に仕立て上げた様な服で、いつもと少し縫い目や、色選びが違うので霖之助ではなく、咲夜が作った様だ。材質は知らない物だったが、なんだか月との苦い経験が込み上げてくる。寸法は少し大きくて、ポケットやパーカーもある。どのくらいの量、ポケットに入るか弄ると、何やら中に物が入っていて、それは外の世界で現金呼ばれる物とスマートフォンと呼ばれる物が入っており、金額に関しては二十万円ほど綺麗に折り畳んで入っていた。

すぐに服を着替えて、元の服はスキマへ置き去りにして、以前いたビルの下、人目につかない小径へとスキマを繋げた。大通りに出て空を見上げると紫の手紙を読む前は朝だったが、今では午後三時頃だという事を体感で感じとれる。天気は晴れだったのが、雨に変わった様で、生憎、傘を持っていなかったが、幸い金があるので傘を買い、手紙に引つけられる、そっちの方へと、歩いて進んでいった。

いいねを贈ろう
いいね
13
コメントしよう!
画像・吹き出し

タグ: ヒーロー 巫女さん 一話 三話 改訂 タグをもっと表示

トピックも作成してみてください!
トピックを投稿する
その他2026/09/30 22:36:44 [通報] [非表示] フォローする
TTツイートしよう!
TTツイートする

拡散用



誤字りまくりと読みやすさのため改訂と再掲


画像・吹き出し