《小説》『暁月』 第四話
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《小説》 『暁月』 第三話
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※これが最終回です。
星乃は天使の輪を箱にしまった。
そして棚の奥に雑に押し込んだ。
天使の輪はぐちゃぐちゃになっている。
「これでいいや…これで」
星乃は死にたくなんかなかった。
一生懸命生きたい人がいるのに、
そんな人のことも考えずに天使の輪で死んでいく人。
あの行列の半分はそのような人達なのだろうかと星乃は思った。
【次の日】
星乃が駅のホームで電車を待っている時だった。
(何処かで見たことある…もしかして、音羽ちゃんかな…)
「あっ!星乃〜最後に会えてよかった!」
「やっぱり!音羽ちゃん!どうしたの?」
「あ…いや……駅に用があって、ね…」
音羽の顔が少し暗くなった。
そして音羽は思い出したように言った。
「そういや星乃さ、最近不思議なことあった?」
(天使の輪…‼︎)
星乃は天使の輪のことを話した。
ホームにあのいつもの音が鳴り響く。
「じゃ、そろそろ行くね。星乃」
音羽は頭に天使の輪をつけた。
星乃の横で無数の白い羽が飛び散った。
「暁月__、」
星乃の記憶から音羽が消えていった。
《速報です。今日午前7時ごろ、ある駅のホームで自殺した女子中学生がいたそうです。》
_______終わり。
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トピックを投稿する暁月もついに最終回です。
たったの4話でしたがDMでたくさんのコメントをいただきました。ありがとうございました!とても短い小説でしたが楽しんでくれたら嬉しいです。