【小説】秘密を持つ者 1
1. 転校生
今日は小学校の一学期最初の始業式。
そして私たちからすると6年生になる始業式だ。
朝八時に登校し、いつにも増してうるさい体育館で独り本を読んでいた。
もちろん、始業式では読んでいないよ?
始業式や席の配置等も終わってワイワイと新しいクラスに帰った。
さて、 次は転校生の紹介の時間だ。
うちの学校では各教室で行う。
学校中の人がソワソワとする中、前の扉がガラッと開いた。
新しい担任が教卓の前に立つ。
「えー、初めまして。担任になりました、多田です。早速ですがうちのクラスにも転校生が来ていてー、あ、入ってきてくださぁーい。」
と先生が言った。
開けっ放しの扉から一人の男の子が入って来た。
自己紹介を始める。
「足立寧々です。△△△から来ました。よろしくお願いします。あ、名前のことでからかわないで下さい。」
凄い簡単な自己紹介だったが 一番重要であろうところは大体わかった。
指さされたところに座る。
「えー、仲良くしてあげてくださいっ!はい!それではまず自己紹介カードを書きまーす。」
仲良くしてあげてください、と上から目線の言葉遣いのお陰で足立さんはクタッと机に突っ伏してしまった。
授業が終わり、休み時間になった。
休み時間になると校舎全体が騒がしい。
私はその間読みかけの本を黙々と読み続けた。
転校生の足立寧々さんはというと、
沢山の男子に囲まれながら楽しそうに話していた。
だけど、足立寧々のその横顔に少し違和感を感じたのは私だけなのだろうか…。
(つづく)
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