【しょうもない小説】ピラニア
「お母さーーん」
この家の中学1年生の娘、まどかである。
「まどかどうしたの?」
母は聞いた。
「お父さんがピラニアになってる」
「は?」
全くもって信じていない母は冷静である。
「だから、お父さんがピラニアなってるの」
「は?バカじゃないの」
「バカはこんな嘘思い付かないよ」
まどかはバカ正直に答えた。
「いい、落ち着いて聞いて」
「落ち着いてるよ、信じてないから」
「さっき家に帰ってきたら玄関にピラニアがいたの。」
「お父さんだって思って、すごいこっちをみてるの」
「は?」
このとき母はまどかが謎のノリを始めたと思った。
「信じてないなら持ってくるよ」
「どこにあるの?」
「床」
「うそでしょ、死んじゃうじゃない」
まどかは魚を地べたに置くというとんでもなくバカなことをしていた。
「ほら」
「はあ?」
「お父さん、私が必ずもとに戻してあげるから」
「えっお父さんがしゃべってる」
「そんなわけないでしょ」
まどかはここに来て中二病が発動していた。
「私には魚の声を聞く特殊能力が・・」
「えっお父さん、迷惑かけるからこのままでいいって」
「このままでいる方が迷惑だよ」
まだ信じていない母は真面目に答えた。
「そんなこと言わないで、いつか煽りVとりたいって言ってたじゃん」
「あおりぶい?お父さん何を目指してるの」
「あのさ・・もとに戻す気があるんだったらそんな一人劇場してないで
調べるとかしろよ」
その調べるという当たり前のことがまどかにはできないのだ。
「口出さないで、これは私とお父さんの戦いなの」
「何言ってんの」
「どうしよう」
「だからまず調べろよ」
「何を?」
まどかは話の理解が遅い。
「その人間が魚になる現象を」
「そんなの調べて出てくるわけないよ」
「さっき特殊能力があるかもしれない言ってたやつが何言ってんだよ」
スマホの着信音が鳴った母はラインを見た。
「お父さんからだ」
「今から帰るって」
「え???」
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