戻らぬ記憶に思いを馳せて。第四話「不思議な島」
第四話 不思議な島
「まずどこに行く?」
「うーんと。」
私は考え始めた。どこにしよう。というかここはどこなんだろう?まあいっか。
「うんとね、どことかじゃないけどここの近くの空を飛びたいな。」
「ok。じゃあ僕は操縦席に行くね。デイリーは窓から景色でも見といて!」
「わかったわ。」
そう言って私は近くの大きな窓の前に行った。ちょうど窓の前に赤いソファが置いてあったので私はそこに座る。しばらく待っていると飛行船が『ゴゴゴゴゴゴ……。』となり始めた。それと同時に体がふわっとした。窓から外を見てみると飛行船が上昇していっている。
「わぁ!」
私は目を輝かせながら声をこぼした。1分もしないうちに飛行船は空高くまで昇っていた。下にはさっきまで見ていた海が青く光っている。
「綺麗……!」
私はこの景色にずっと感動していた。海が彼方遥かまで続いている。
「あれは何?」
海の上に何か建物があるように見える。よく目を凝らしてみるとそれは大きな島の街のようだ。しかし様子が変だ。立っているビルや家には葉がまとわりついている。あたり一面が緑色だ。人が住んでいる気配がしない。操縦している白花も気づいたようで飛行船を街に近づけているようだ。奥で白花が声を上げた。
「この島に着陸するよ!なんかに捕まっといて!」
私はソファに座っていたので背もたれに捕まった。離陸した時と同じように体がふわっと浮いたと思うと飛行船はすごい勢いで島に降りていく。『ゴン』というと飛行船は島に着陸した。
「ついたよ!」
そう言って白花は操縦席から出てきた。
「どうだった?空の旅は?」
白花は聞いてきた。
「すごい楽しかった!景色がすごい綺麗で……!」
「それはよかった!次はこの島を冒険しようよ!」
「うん!でもここ、様子が変よね。一面葉っぱに覆われてて。」
「ね。何でだろう。まあ、外にでようか。」
「うん。」
そう言って私はハシゴを降りた。2回目だからもう慣れっこだ。それに続いて白花も降りてきた。『ウィーン』じどうドアを潜り抜けて私達は外に出た。
「わっ!」
遠くから見ていた時と違いとても迫力がある。とても大きなビルも葉っぱに覆われてている。白花は張り切ったようにいう。
「んじゃ、散策しますか!」