【物語】また、君に会える日は_

2023/08/06 12:51

ーーーーーーーーーーーーーーー

君が好きだった。

ずっと会えなくなってから。

”好き”がわからなくなってしまったけれど。

もしかしたら友達として好きだったのかもしれない。

兄弟や優しい親戚のような安心感があっただけなのかもしれない。

でもどういう意味だろうと君が好きだった。

やさしくて、ふざけて、頭は良くて運動もできて。

悩みを相談できない僕は君がいるだけでなんでも言えるような気がしてた。

君にならなんでも言えるような。安心感が好きだった。

君に毎日会えていた頃はただ好きであって何が好きなのかわからなかったけれど。会えなくなった今ならわかる。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

君を好きになったのは小学一年生のとき。同じクラスで一目惚れのようなものだった。

見た目がかわいかった。かっこよかった。

話してくと性格も良かった。でも一年生、ニ年生のときは好きな人とどう喋ったら良いか分からなくていつもパニックになってた。

三年生。三年生になると少し落ち着いたけれど消しゴムに君の名前を書いていたからバレてしまった。クラスほぼ全員に。

でも好きだった。あれを見たときの君の反応。「見たよ。」

その一言だった。

その一言だったから、不安もあったけれど安心もあった。

嫌いだよばーかなんか言われなくてよかった。

その時は目があって、やさしい君とは両思いなんだって勝手に思ってた。

嫌いな担任。それでも君が居てくれたから良かった。

四年生。初めてクラスが別になった。まぁ今までが奇跡だったね。たまぁに見える君がかっこよかった。

5年生。また同じクラスになったね。少し距離を縮めすぎたのか、少し避けられるようになってたね。でも5年生の最後のころ。僕はネットを初めて。病んでた。でも君が居てくれればこの先もずっと生きていけるって思ってた。このままずっと。少なくとも中学卒業までは仲良く居られると思ってた。仲良くなくてもずっと君がそばに居てくれるって。勝手に。

委員会が同じだったとき。肩が触れるくらいのきょりで。一緒に仕事をしたね。心臓の音が聞こえそうなくらいだった。

暑くなってきて君は上着を脱いだ。

帰るとき上着を忘れかけて僕が渡したの。そんなことまで覚えてる。

図書室の電気がつきっぱなしだったとき。君が声をかけてくれて一緒に図書室まで走ったね。その時間はゆっくり進んでいるようだったよ。

走ってるとき、「足はやくなったじゃん。」って言われたの覚えてる。嬉しかった。

君と下校した。通学路とは違うけど僕は君の家の方から帰っても変わらないから。

いろんな話を聞いた。何でも食べる君がトマトは嫌いなこと。水泳の大会があったこと。上位に入ってること。

ずっとすごいなって思ってた。でもその時間が特別すぎて話したこと。あまり覚えてない。

けれど君に僕の家を教えたことはあったね。アパート名を教えただけなのに、位置まで知ってた。

6年生。

君は頭が良かった。本当に。

一年生の時みたいに見た目は可愛くないしかっこよくもなかった。正直。

でも性格は変わらないし好きだった。

階段で歌ってたとき、君にだけ見つかって「なにしてんの?」の一言。

でもなぜか私は爆笑しちゃったね。

君は「は?」みたいな顔で見つめてきたね。

でも6年生のとき。君の好きな人知っちゃったな。

同じクラスの可愛い子。たしかに性格もいいしかわいい。

女子の私でも恋しそうなくらい可愛い子ではあったけど。

辛かったなぁ。そんな君の話を聞く度。

さらに君。べつの中学に行くってことを知ったよ。

辛かった。泣いた。1人で。

でもきっと君も寂しかったんだろうね。

卒業が近くなったら、よく泣くようになってたね。

図工の時間だったね。

君は少しいじられただけで普段はそんなことで泣かなかった。

でも泣いてた。見てるこっちも泣きたくなった。隣の席だったから周りに男子が集まってて。そっとしてあげてほしかったなぁ。

泣いて。辛かったんだろうなって

その時僕はそう思った。君も卒業するの寂しいんだろうなって。でも君の夢は水泳選手だし、同じ中学より受験していく中学のほうが良いんだろうなって。

卒業式の日に担任がいろんな話をして。君は泣いてた。そんな君を見て僕も泣いてた。

写真を一緒に撮りたかったなあ。

でも君の幸せを願って君と君の好きな人のツーショット。撮ってあげた。辛かったけど、君の笑顔を見ると嬉しかった。

離任式があった。その日、君との別れだって思うと辛かった。

その時僕LINEやってなかったから連絡取る手段もなくなるなぁって思って。

でも正直実感なかったかもなぁ。

でも本当に会えなくなった。中学1年生。

今でも夢に出てくる君。転校して僕と同じ中学で、隣の席に座る君。

夢でも嬉しかった。でも起きたら夢だってことに気づいて胸が締め付けられる。

またいつか君と会えるかな?

同じクラスの男子たちは今でも君の話をするよ。悪いことは言わないけど。まだ男子たちとは連絡とって、会ってるんだね。

好きな人も変わらないんだね。

でも僕は君の言う事なら全部受け止めるって決めた。

君は誰かに相談したりするタイプじゃないよね。

きっと辛いこともあるよね。

また会えたら。君は会いたくないかもしれないけれど。

なんでも言ってね。

今僕は君のことを好きなのかどうかわからないし、他の人を好きになるってこともわからなくなった。

全部君のせいだよ。でもそんな君に感謝してるよ。

また、君と会える日は_

いいねを贈ろう
いいね
0

このトピックは、名前 @IDを設定してる人のみコメントできます → 設定する(かんたんです)
画像・吹き出し

タグ: 物語

トピックも作成してみてください!
トピックを投稿する
その他2023/08/06 12:51:33 [通報] [非表示] フォローする
TTツイートしよう!
TTツイートする

拡散用



まだコメントがありません。最初のコメントを書いてみませんか?
画像・吹き出し
タグ: 物語

トピックも作成してみてください!
トピックを投稿する